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2003/10/9インタビューVol.034 [国会議員] 鈴木 寛 衆議院議員 「世の中にもっと興味をもって欲しい」

34

衆議院議員

民主党 鈴木 寛
政党 民主党
選挙区 東京都
初当選年 2001年
当選回数 2回(参院選2回)
公式サイト
YAHOO!みんなの政治

 

まず最初に、官僚、大学教員など様々な経歴をお持ちですが、その上で鈴木議員が議員になろうと思ったきっかけを教えていただけますか?


僕は今でも早稲田大学の教員はやっているんですが、そういう意味では新しい議員としての仕事が加わった、という感じなんです。僕はこの20年間ぐらいずっとJapan Producerを目指してきたし、今後もそうありたいと思ってきたんですね。
その時々によって仕事をする場所が少しずつ変わってきてはいるんだけど、自分的にはずっとJapan ProducerとしてJapanをProduceする上で一番効果的なところに身をおいてきたつもりなんです。



官僚出身の政治家と、そのまま政治家になる人の違いはなにかあると思われますか。


結局、僕がなぜ役人をやめたかっていうと、役人は一生懸命、ボートでいうとオールを漕いでいる人なんですよ、ひたすら漕いでいる。この漕ぐ力とスピードはやっぱりすごい。
ただ、舵を握っている人は政治家で、舵が全然違う方向だと一生懸命こげば漕ぐほどどんどんおかしな方向にいっちゃうわけなんです。
20世紀型の政治家は今や明らかに舵取りを間違えていて、官僚が一生懸命がんばればがんばるほど、あるべき姿とはどんどん違う方向に船が行ってしまうことを若手官僚はみんなわかっている。優秀であれば優秀であるほどわかっているんです。
だからもう、舵を取る人を変えなければならないというのが僕の結論。
今までの政治家では21世紀の舵は取れないから、私が舵を取ろうと思ったんです。
僕が舵を取り、僕たちの後輩や同僚の若手官僚たちがまた一生懸命パワフルにオールを漕いでくれれば、またこの船はいい方向に向かう。くわえてこれからはオールを漕ぐ人は官僚だけじゃなくていいし、NPOや民間企業、学者から「ベストチーム」をつくればいい。もちろんそのなかに官僚を排除する必要はない。
それから政治を志す若い人に申し上げたいんだけど、何か一つ現場で仕事をしてから、政治家になった方がいいと思う。それは民間企業でもいいし、NPOでもいいし。
やっぱりきちんとオールを漕げて初めてオールを漕ぐ人の気持ち、あるいはどういう時にオールがうまく漕げるのか、どういう時に漕げないのか、ということがわかる。そのことをわかったうえで船頭になるべきだと思う。船頭はどういうかけ声をかけたら聞き取りやすいかとか、みんなの心が一つになるのかなどを把握するべきであって、やっぱりいきなり船長さんにはなれない。
教育問題でもいいし、ベンチャーでもいい、あるいは福祉でもいい、何か現場で頑張る、例えば社会福祉法人で五年勤めてみて自分達がやりたいことを阻んでいる制度がある、あるいはそれに充分な予算の応援がない。という具体的な問題を痛感して初めて、政治のどこが問題なのかということが身にしみてわかる。
僕はそういう人が政治家になるべきだと思う。
だから本当言うと、若い頃からただ何でもいいから「政治家になりたいです」っていう人には僕は政治家になってもらいたくない。
たとえば、この国の教育制度を変えたいとか、医療改革をしたいとか、あるいはあまりにもNPO活動がやりにくいからNPO支援政策をやりたいとか、やっぱり何かの政策をやりたいと思う人に、僕は政治家になって欲しいと思う。
それはね、「経済政策」とかいうことじゃなくてもいい。
「世の中を元気にする政策」とかいう言い方でも構わない。きちんとコンセプトをかためてから政治家になって欲しい。だから例えば「世の中で困っている人たちを元気づける政策」とか「困ってる人の痛みをわかちあう政策」とかそれぐらいのコンセプトはきちんとつかんでから、政治家の道に進むべきだと思う。



政治家の方でもそのように一つのことに打ち込む人と色んなことに取り組むオールラウンド型の人がいると思うんですが、どちらかといえば前者の方がいいということですか?


僕はね、「T字型」が正解だと思っているんです。
オールラウンダーであり、エキスパートでなければだめだと思うんですよ。
僕は経済政策に関しては通産省にいましたからエキスパートですよね、それから今は人材政策、もう一つ情報政策もエキスパートです。
「T字型」で縦の柱が三本(通商産業・教育・情報)という構造で、これは非常に頑丈な構造だよね。柱が三本あって屋根はきちんと全部おおっていると。やっぱり最低でも柱が一つないと屋根は立たないからね。
Japan Produceをするための柱をきちんと一つ以上つくってから、あるいはそれを始めながら、政治家をやってほしいと思いますね。



今、若者が政治に対して興味がないと言われているんですが、それについて鈴木議員はどう思われますか?


僕が学生の頃からすでに若者は政治に関心がないと言われていた。今に始まったことじゃない。
僕よりさらに10歳ぐらい上の人たちは政治に関心があった。特に全学連とか、全共闘とか。当時の学生がなぜ政治に関心があったかのか、答えは簡単なんです。
ベトナム戦争があって、成田がいわゆる軍用空港になるかもしれない、ということは自分たちが戦争に行かなければならないかもしれない、徴兵制が復活するかもしれないという危機感があったから、自分たちの問題として考えていた。
しかも戦争が終わってまだ十年とか二十年っていう頃で、アメリカでも同じ世代の人々がベトナムに行ったりしていたから、自分たちが戦場に行くっていうことに非常にリアリティがあって「それはいやだ」っていう思いが当時の学生の中に強くあった。
だから当時の学生は政治に興味をもったんですね。
しかし僕らの頃になれば、同世代が戦場に行くなんていうことはないと思っていたから、その段階から若者は政治に無関心になりその状態が今も続いているんですよ。
そういう意味で言えば、僕らの頃に比べたら一部の、ほんの1%か2%かもしれないけど、議員インターンシップやったり政策コンテストやったりする学生がいるという意味で、政治とか政策とかに関心をもっている学生はむしろ増えているのかなと思います。
ただ、さらに言うとあんまり学生のときに「政治に関心がある」っていうのはむしろ気持ち悪いね。 それはいわゆる今の「政治」というものにあまり関心を持ちすぎてほしくないということなんだけど、それよりも、「世の中」にもっと興味をもって欲しい。
例えば自分の学費とか、自分の就職とか・・・女子学生の就職っていうのは今、大変なわけですよ。そうすると同じ勉強をしていてなんで女子学生の就職はこんなに大変なんだろうかっていうところはすごく関心を持って欲しいと思う。
そういうことからいろいろたどっていけば、社会全体、世の中全体がよくわかってくると思う。
自分の学費はなんでこんなに高いんだろうとか、自分の身内がいじめにあっているとか、やっぱり自分の身近で起こっていることを見逃さずに、なぜそういうことが起こっているのか、それを少しでも改善していくためにどんな方法があるか、ということについてものすごく関心をもって欲しいし、ものすごく勉強して欲しい。
そういうことを僕はやって欲しいと思うね。



最後に、鈴木議員のProduceしたいJapanはどのようなものか、教えていただけますか。


僕の人生観は「おもろいやつとおもろいこと」なんだよね。
きっと多くの人も、おもしろい人とおもしろいことを一緒にやり、あるいは思い立てばその夢がかなえられる。
日本には1億3000万人の人がいるけど、1億3000万人の人みんながそれぞれの価値観で「おもろいやつとおもろいこと」をできるようになればいい。
僕が思うことは、1年かけてできることよりも15年かけてできることの方がおもしろい。もっといえば30年かけてできることはもっとおもしろい。
もっと言えば100年かけて、自分の時代で終わらないけれど、三代かけてやっていくというようなことはとてもおもしろいことだと思う。
おもしろいことっていうのはある意味で大変なことなんですよ。世の中で一番おもしろいことは「革命」だよね。
革命はもちろん一人の手じゃできない。明治維新は後世の人をいまだにこれだけワクワクさせているね。
だから僕が一番おもしろいと思うことは、新しい時代をつくる、新時代をProduceすること。
最高におもしろいことだと思う。そのことは政治も経済も文化も学問もスポーツも、そして芸能もサブカルチャーも、いろんな遊びもすべてが新しい時代をつくっていくという意味だから、そういう意味で新しい時代を全国津々浦々、各地、各職種でそれぞれつくっていきたい。皆さんと一緒に。
そこにはもちろん温故知新っていうことや、チームワークが重要なんだけどね。



(インタビュー:2002-10)


1964.2.5 兵庫県明石市に生まれる。
1986 東京大学法学部卒業。通商産業省入省。
1997 中央大学総合政策学部兼任講師。
1999 慶應義塾大学環境情報学部助教授。
2001 早稲田大学客員助教授。参議院議員初当選。
2002 東京大学教養学部非常勤講師。
2007 参議院選にて二期目の当選。
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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