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2013/11/1インタビューVol.162 [首長] 志賀 直温 千葉県東金市長 「素直な気持ちで、自分の目で本論を見て欲しい」

162

市長

千葉県東金市長 志賀 直温
選挙区千葉県東金市

 

市長になろうと思われたきっかけを教えてください。


私も学生の頃は政治に対して反発していたこともありました。しかし、家業を継ぐため東金市に戻ってきて地域に溶け込んでいるうちに、政治に対して「誰かがやらなければいけない」という使命感がわいてきました。以前から市議会議員にならないかと薦められており、それまでは子どものことを考えてお断りさせていただいていたのですが、40歳のとき市議会への出馬を決心しました。その後、家族の協力を得て、地域の代表として9年間市議会議員を務めました。
しかし、当時は議員が立法するような事例があまり多くなく、議事の流れが事前に決まっていることがほとんどでした。なので、新しく制度を立ち上げることなど非常に難しい環境でした。色々と悩んだ末、「思うことがあれば自分が市長になって挑戦すべきではないのか」と決意し、市民のご理解もあって市長になることができました。



市長は4期にわたり、市長をされていますが、長くやってこられた秘訣は何でしょうか?


自分でもこれほど長く市長を続けることになるとは思いませんでした。当時はまだ若いと言われましたが、それでも若い力が必要だと考え奮起しました。
2期目は市町村合併の話題がメインでした。当時は「平成の大合併」の機運が盛り上がっていた時期でもありましたので、この問題は特に多くの時間を割きました。また、市内の病床数や医師・看護師の数も少なく、この地域の医療体制がこのままでいいのかという投げかけもあって地域医療問題にも取り組んでいました。市町村合併の件は、2期目の時、大変な挫折も味わったのですが、1期目の時から取り組んでいた地域医療の問題がまだ解決しておらず、また「東千葉メディカルセンター」として解決への道筋がつきそうであったため、3期目も挑戦をしました。
そして、4期目の現在では病院の計画が県や千葉大学を含めて軌道に乗って進んでいく中で、全うしたいという強い責任感から続けてきました。

よく、「首長は愚痴を言うなら辞めればいい」と言われます。なので、自分自身を追い込むことは絶対にせず常に前向きで元気に、そして物事に対して夢をもつことが長くやってこられた秘訣だと思います。自分自身がこの夢を実現できないと思ってしまえばそこで何もかも終わりになってしまいます。夢を市民の皆さんに共有いただけたからこそ、私は市長になれたのだと思っているのです。



東金市をどのような市にしたいと思っていますか?


東金市の人口は約6万人で、今後の少子高齢化による人口の減少が予想されています。税収も減り地方が停滞するなかで、市町村合併は避けて通れないものと思っていました。財政面でも合併することで効率的に費用を活用することができると考えていたため、合併の破綻は忸怩たる思いでした。平成15年が借金のピークで、平成20年には返済金のピークが到来し、減らすものは減らし、職員にも我慢して、耐え忍んでもらいました。
そのようななか、平成25年4月に首都圏中央連絡自動車道(圏央道)が木更津から東金間で開通しました。新しい道ができるということは非常に大きなインパクトがあります。古くは400年前の1614年に徳川家康が鷹狩りで来訪するために「御成街道」が完成しました。このおかげで東金は物流の集散地としてにぎわい、人やものだけではなく文化・学問も入ってきました。道路というのはまちの発展には欠かせないものなので、この立地をどのように活用できるかが今後焦点となっています。地域間競争だけでなく、地域同士の連携や地域内における活力の循環が重要であり、これを本気でやっていかなければなりません。
また東金市独自の取り組みとしては、人口が維持できる自立したまちづくりを目指しています。医療・教育・福祉施策もその一環であり、財政再建にあたって抑えてきた施策もあるので、これからやっていきたいと思います。



若い力が必要との思いから市長になられたわけですが、若者が市政に参画できる施策はありますか?


東金市には大学や学校施設も多くあり、若い世代も多くいるおかげで、高齢化率が抑えられています。 政治という側面では、若い世代の人たちのグループで行政や財政の問題について講義をしたり、彼らと語り合ったりしたこともありました。その中には議員になった人もいたりして、私としても非常に刺激的なものとなりました。
また、商工会議所青年部など若い世代がまちづくりに参画しています。先ほども述べたとおり、今年は街道が通って400年という記念すべき年であることから、商工会議所ベースで様々な記念事業を始めており、市としても予算をつけています。市内にある城西国際大学の学生や留学生も郷土料理コンテストなどの様々なイベントへ参加し、大変活気づいていると思います。
人口はなかなか増えないものの、若い世代には意欲をもって正面から政治にぶつかっていくような人になってもらいたいです。しかし、労働や育児などで市政に参画するのが難しい現状であることも事実であり、これからの市政の課題の一つと言えるでしょう。



東金市の総合計画にもありました「市民との協働」について、どのように進めているでしょうか。


協働事業というと、一般的に非営利組織(NPO)などが主体となってやるという形が一つの手法となっていますが、NPOだけではうまく活性化しづらい場面があります。
そこでもう一つの手法として地域との関係性による協働を考えています。現代社会において、昔のような地域コミュニティがあまりなく、地域の関係性が希薄になっている状況があります。これでは災害の対応など地域ぐるみで乗り越えなければならない事態に遭遇したとき、うまく対処できないことが多く存在し、住民自身に跳ね返ってくることになります。これはサイレントマジョリティの意見として「誰かがやってくれる」と完結してしまっているからなのです。なので、地域コミュニティを巻き込んだことをやりたいと思っています。事業の選定をどうするかなど、多くの段階を踏まなければなりませんので、すぐに答えを出すことは難しい面もありますが、一緒に練り上げることが必要だと考えています。



最後に若者に対してメッセージをお願いします。


若い人たちには是非素直に、自分の目で、本論を見て欲しい。これは世代を問わず言えることではありますが、素直に物事を見ることが大事だと思います。情報がすぐに手に入るこの世の中で、正しい情報ばかりではないことも事実です。正確に物事を捉えることが重要であり、自分自身が常にその気持ちで臨んでいかなければ見えるものも見えなくなってしまいます。是非素直な心で世の中を見て、よりよい社会を作る人間になって欲しいと思います。



(インタビュー:2013-11-01)


◆生年月日 昭和23年10月14日
◆出生地  東金市押堀
◆略歴
昭和42年 3月 千葉県立成東高校卒業
昭和46年 3月 国立弘前大学農学部卒業
平成 元年 4月 東金市議会議員初当選
平成10年 4月 東金市長就任
平成14年 4月 東金市長二期目就任
平成18年 4月 東金市長三期目就任
平成22年 4月 東金市長四期目就任
平成25年 2月 千葉県市長会長就任
※プロフィールはインタビュー時のものです。


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