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2013/11/20インタビューVol.163 [首長] 小林 常良 神奈川県厚木市長 「覚悟を持って人事を尽くし、そして天命を掴め!」

163

市長

神奈川県厚木市長 小林 常良
選挙区 神奈川県厚木市
公式ホームページ

 

市長になろうと思ったきっかけを教えてください


市長になろうと思ったのは、厚木市の職員として働いていた時でした。仕事をしていく中で「もっとこうするべきなんじゃないか」という小さな理想を感じることがあったのです。一言で表せばそれは「現体制への反発」ですね。自分の思った・感じたことを正直に政治の世界で実現してやろうと決意したのがきっかけです。
その後は自分との戦いです。私が職員として働いていたときはどこか先輩の言うことをこなしていれば対価が得られるという雰囲気がありました。それはつまり自分で物事を考えなくてもよいということです。それはとても楽なことでしたが、裏を返せば市役所の中で声をあげることはとても難しいという状況でもあったわけです。もちろん立場が変われば言えることも増えますが、自分の感じた現状への不満を全て言葉にすることはできません。ずっと心のどこかに葛藤を抱えることになります。私の場合は「理想の実現を阻むものに立ち向かっていかなければならない」という思いが人一倍強かったので、そのような環境を脱するために出馬して、今に至るというわけです。



市長としてのやりがいはなんですか?


自分をギリギリまで追い詰めて、自分以外の人たちのために価値を提供することが、この仕事をする上で一番大切な姿勢です。それはとても辛いことですが、その分市民の皆様から感謝の言葉を頂けたときは大きな達成感があります。



市のことに関わろうと思った原体験はありますか?


振り返ってみれば、小学校4年生の頃に近所の坂について思うところがありました。その坂は整備されていない砂利道で、上るだけでもかなりの労力を要しました。あるとき母親の手伝いでリアカーを押して坂を上っていると、やはり坂を一度で上り切ることはできず、途中で腰を下ろして休まざるをえませんでした。その時に母親が「この坂がもっときれいになって上りやすくなればみんな喜ぶのにねぇ」と言ったことが何となく印象に残っています。間接的にではありますが、「ああ、まちの何かを良くするということは、みんなが喜ぶということなんだ」ということに気づかせてくれたのです。まさに自分の意識と人生が変わった瞬間でしたね。まぁ母はそんなつもりで言ったのではないでしょうが(笑)。



今の若者はそのような「身近なところの気づき」を得る機会が少なくなっているように思えるのですが、いかがでしょう?


若者が今と昔で大きく異なると言うことはないと思います。「最近の若者は」というフレーズも全く変わりません。しかし、社会の中で利己主義的な考え方が広がっているようには感じますね。その影響を受けて、人を心の底から大切にしない若者や大人が増えているのではないでしょうか。私は人を大切にしなければ、真の意味での仕事とはいえないと考えています。故ケネディ大統領が「あなたの国があなたのため に何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」と言ったように、楽をするために何かを求めるのではなく、自分の努力で世界によい結果をもたらす姿勢をもってほしいですね。今後はその考えが持てるかが問われる世界になると思います。その中で生き残るためにも、人間の恩義・正義・慈愛などの感情を大事にして、自分を抑えるラインを引くことはとても重要になってくるのではないでしょうか。



そちらに関連して若者にもっとこのように「市政」に関わってほしいという思いはありますか?


その点において、この市はとても恵まれていると思います。厚木市には5つの大学があり、有志の学生たちを「にぎわいアドベンチャー隊」として委嘱し、主体的かつ積極的にまちづくりに関わってもらっています。これまでも「あつぎハロウィン」「缶ドルナイト」などのイベントを企画・運営したり、カフェやランチのスポットを紹介するマップを作ったりと、多岐にわたって活躍してくれています。1000人の学生が1000人とも同じ方向を向くことはあり得ません。こと政治に関しては向いてくれる学生自体が少ないのも重々承知です。そんな中でこうして活動をしてくれる学生がいることはとても心強いですね。
<参考>
http://www.city.atsugi.kanagawa.jp/wadai/machi/d025023.html



厚木市の強みや良いところは何ですか?


強みはなんと言っても自然を含めた総合的なバランスの良さです。きれいな山や川などは市民の癒しスポットになるので、日々の暮らしを潤してくれます。それでいて交通の便が優れていることも強みです。今すでにインターチェンジが3つあるのですが、現在建設中のものを合わせると最終的には6つになります。これを機にもっといろんな方に厚木に訪れていただければと思います。



厚木市の課題や困っていることは何ですか?


厚木市は同規模の自治体と比べると、企業が多く立地しています。これはもちろんよい面も沢山あるのですが、不景気になると税収がとたんに落ち込んでしまうという大きなリスクも内包しています。加えてここ20年ほど産業誘致が行われていません。法人税が大きな収入源である厚木市において、この傾向は安定した財政の構築に大きな打撃です。今後は、高速道路整備などを生かした産業の誘致に力を入れていきます。産業が地域に張り付けば、結果として人も張り付きます。これが今積極的に進めているハード面での改革です。
ソフト面ではセーフコミュニティに取り組んでいます。セーフコミュニティはWHOが認証する事故やけがを予防するために、「地域住民と行政などが協働して地域の誰もがいつまでも健康で幸せに暮らせるまち」をつくる取組みです。厚木市では2年半以上の期間をかけてセーフコミュニティを全国で3番目に認証取得しました。
<参考>
http://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/totokezei/zei/oshirase/gaiyou/d023207_d/fil/24sizeigaiyo.pdf
http://www.city.atsugi.kanagawa.jp/shiminbenri/anshinanzen/safecom/sc/p001484.html



若者へのメッセージをお願いします。


若者には「人事を尽くして天命を掴め」と言いたいですね。覚悟を持って本気で物事に取り組み、本気で人を愛することで、天命を待つのではなく掴みにいってほしいです。とはいえ事をなすには大きな勇気が必要ですので、若者はその勇気を持たなければならない。そうしないと社会が前に進まないからです。それも頭でっかちに机上で考えるのではなく、まず行動に移してほしいと思います。行動した結果初めて見えてくるものを大切にして、うんと悩んでください。「身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ」という言葉もあるとおり、本気になった人にしか大きな成果は為し得ません。本気になった人は悩み、大変で苦しい方の道を選んで、自分の目標に向かって邁進するものです。特に政治の世界を志している人ならば、なおさらそうすべきだと思います。無我の境地に身を置き、自分以外の大勢のために働きたいと思うのであれば、自分がまず社会に存在する価値のある人間にならなければなりません。そうした存在価値は、自己を殺しきった究極の場に身を置いて初めて滲み出てくるものではないでしょうか。



(インタビュー:2013-11-20)


■氏  名 小林 常良
■住  所 神奈川県厚木市上依知
■生年月日 昭和24年4月28日(63歳)
■学  歴
昭和47年3月 日本大学 卒業
■経  歴
昭和47年4月 厚木市職員
平成3年8月  厚木市議会議員初当選(以来3期当選)
平成15年4月 神奈川県議会議員初当選
平成19年2月 第5代厚木市長就任(現在2期目)
■主な役職
全国セーフコミュニティ推進自治体ネットワーク会議会長(平成23年11月~)
関東国道協会会長(平成21年5月日~)
神奈川県河川協会会長(平成20年5月~)
神奈川県森林協会会長(平成22年10月~)
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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