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2014/1/30インタビューVol.178 [首長] 大坪 冬彦 東京都日野市長 「現状を変えるのは若者しかいない!」

178

市長

東京都日野市長 大坪 冬彦
選挙区 東京都日野市

 

市長になられたきっかけを教えてください。


私はもともと政治家志向でもなければ、議員の経験もありませんでした。ところが日野市役所に勤めて32年目の昨年4月に馬場弘融前市長が任期満了に伴い勇退されて、後継者をどうするか市全体として苦労がありました。そのなかで、市の職員からという声があがって、管理職であった私に白羽の矢が立てられ、馬場前市長の市政を受け継ぐかたちで市長に就任しました。当時私は幹部職員でありましたので、市長になるとは予期していませんでした。しかし、日野市の状況を知っている自負はありましたし、常に行政・将来に対する問題意識や危機感を持っていたので市職員から市長という職にジャンプしました。



市職員であったときと市長になって見えているものに違いはありますか?


ありますね。市政に関する全ての決定は市長の責任だということもそうですし、市職員から見える市長の活動はごく一部だったんだなと感じています。職員はさまざまな部門の中で市民と相対して市長の判断を仰いで職務を全うしますが、市長はその全体を司らなければならないし、そのためにさまざまな場所でさまざまな立場の人々との関わりがあるので、その点は職員からは見えない部分だなと思います。



市長としてどんなときに葛藤を感じますか?


市長になれば弱音は吐けないですし、常に前を向いていなければならないと思っています。市民代表であるということは何事にも引き下がれないということであり、何が起きても市民のために最善を尽くしていくという視点で物事を考えていく立場と、ひとりの人間としての弱さを持った立場との葛藤は常に感じています。また、十六年間お勤めで三多摩二十六市の市長会会長も務めていらっしゃったベテランの前市長から、市職員出身の市長という状況を比較されるなかで、人は違えど市民から信頼される立派な市長にならなければならない、しかし、現実はそう簡単にうまくはいかないというギャップに葛藤を感じています。



市長としてやりがいを感じる点は?


市長に就任してまだ一年たっていないので、まだ困難のほうが多いかなと実感していますが、最終的には自分自身で人事も政策も予算も責任をもって決断していくわけで、その過程の中で自分が舵を取ることができるという点では、責任は伴いますがやりがいを感じています。ほかの市で議員から市長になられた方から「市長という職は議員に比べて忙しさは10倍、やりがいは100倍」ということを教わったことがあります。このように決める力・権限を行使して市を前に進めていくことができる点に市長としてのやりがいを感じます。



日野市をどのような市にしていきたいですか?


1点目は、今後ほかの国が経験したことのないような超高齢化・人口減少期を迎えます。市では、この対策として若い世代が定住していただくよう市の魅力を高めていくとともに、子育てがしやすい、そして女性が働きやすい雇用環境をつくっていきたいと考えております。これらの環境整備を進めることによって、高齢化、人口減少によってもたらされる悪い影響を克服することができるのではないかと考えています。
2点目は、自然と共生したまちづくりです。日野市は多摩川と浅川が流れており、水田が多くかつ数多くの用水路が網目のように広がっているので、水の都として評価されています。そこで前市長の任期から掲げていた、日野市の今後を見据えた「50年ビジョン」では、市民・市長・職員一体となって、ほかの市にはかえがたい豊富な「水とみどり」を発展させて、これらを活用したまちづくりをすすめていく方針をうち出しています。
3点目としては多摩動物公園・高幡不動尊などの都内有数の観光資源をいかしたまちづくりを進めていきたいと考えています。もちろんそれぞれの観光資源があって観光客の方は来てくださいますが、来てくださったお客様と観光を超えたつながり、具体的には定住に結びつくかたちを目指したまちづくりをしていきたいと思っています。



日野市と若者はどのような関わりがありますか?


日野市には黒川公園などのみどりあふれる自然がありますが、これらの自然を保全してくださる方々が高齢化しているので、大学と協力して学生にボランティアをしてもらうなど若者の参加に力を入れていきたいです。また、大学と協定を結んで、自然保全に関してだけでなくさまざまな分野において共同の活動を行っております。今後は中小企業を元気にするために学生のエネルギーを取り込んだ活動を行っていきたいと考えています。また、日野市は昨年市制施行50年を迎え、記念誌を作成することになり、行政が作っても面白味がないと思って、思いきって作成のすべてを学生に任せてみたのですが、彼らは自分たちが見た日野市・感じた日野市を非常にうまくまとめてくれて、今の若者の感受性の高さに感心しました。



学生時代はどのように過ごされていましたか?


真面目な学生というわけでもなく、アルバイトばかりしていた記憶があります。道路工事や工場でのアルバイトを通して社会人として働く人たちと接触をすることができたことはとても有意義だったなと感じています。ただ、学生時代はその気になれば時間がたくさんあったので、幅広く色々なものを見ておきたかったなと思うこともあります。



若者へのメッセージ


現在の時代は政治も社会のしくみも高齢者をターゲットにしたもので、今の若者は不遇で生きづらいなと感じているかもしれませんが、それを変えていくのは若者自身しかいないと思っていますし、イノベーションを創造していくのも若者しかいないと思っています。日野市としても、これから若者に対して、市政に関する情報発信を強化していくので、情報を収集して市政に関心を持っていただいて、日野市に飛びこんできて欲しいなと思っています。



(インタビュー:2014-01-30)


桐朋高等学校
一橋大学経済学部卒業
日野市役所(32年勤務)
日野市長(1期目)
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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