日本と海外の働き方についてどう思いますか?
日本の働き方、海外の働き方、これらが大きく異なっており、日本の働き方に問題があることは知っています。しかし、私は日本の働き方のすべてが間違っているとは思えないのです。それには2つの理由があります。
1つ目は年功序列の制度は日本の文化に根付いたものであり、一概に否定されるべきではないと思うからです。もともとこの考え方は儒教の教えと結びついているものであるのです。先祖を尊び、礼を尽くすということを重要視していることを考えると年功序列という考えが生まれていることに関して特に疑問はないのではないでしょうか。またこの制度が残ってしまっている原因として明治時代に海外に置いて行かれないように改革をむりやり進めてしまったことが上げられるでしょう。その結果、儒教信仰は廃れ、制度の形だけが残ってしまったのです。しかし、この年功序列制度にも良い点はあります。それはいつかは必ず昇進できるということです。結果や成績に関わらず、どれだけその会社に尽くしてきたかが問われるので全員に等しく機会が訪れます。成績が悪くても長く勤めていれば報われる、この制度を心地よく感じる人は一定数いるのではないでしょうか。
2つ目は「働きやすい」という環境は人によって異なるのではないかと考えるからです。仕事が少ないことをよしとする人もいれば、むしろ忙しければよいという人もいます。働いた分の金銭は正当に払われるべきですが、長く働いているから大変そうである、というのは本人の意見を無視してしまっているのではないだでしょうか。実際、新型コロナウイルスの影響で自殺率が伸びたことの原因の一つとして仕事が減り、自分のいる意味を感じられなくなってしまったというものもあるようです。このように忙しい生活の中でこそ生き生きと活動できる人もいるのです。だが、その流れについていけなくなる人もいるので、どちらか一方に一極化するのではなくいくつかの選択肢を与えることが重要なのだと思います。
このような2つの理由からもちろん欠点はあるものの、日本の働き方を一概に劣っている、や間違っていると判断するのはいかがなものかと思うのです。ただ、改善するべきものもあるためそれらが改善されていくことを期待したいと思います。(東京第1支部 藤本百香)