ドイツの働き方についてどう思いますか?
(東京GN2支部 酒井結貴)
1356時間。これを聞いて、何の時間だか想像できますか?実はこれ、ドイツ人の平均年間労働時間なんだそうです。想像しにくいかもしれませんが、単純計算すれば1ヶ月118時間労働、1週間28時間労働、1日4時間労働です。
では、対する日本はどうでしょうか。日本の平均年間労働時間は1710時間だと言われています。こちらも単純計算をすると、1ヶ月142時間労働、1週間36時間労働、1日5時間労働です。実際は休暇や土日休みがあるので一日の労働時間はもっと長くはなりますが、ドイツと日本の平均労働時間は354時間もあります。
実はドイツはOECD加盟国の中で労働時間が最も少なく、有休消化もほぼ100%なのに加え、夏期に2~3週間の長期休暇を取るのも当たり前なのだそうです。
ここで気になるのは、「こんなに働かないでドイツ人は稼げるのか?」ということだと思います。しかし、実はドイツは、GDPで見ても日本を上回っています。日本は約3.8万ドルなのに対し、ドイツは約4.3万ドルであり、生産性も1.5倍違います。一体なぜドイツではこんなことが可能なのでしょうか?
要因は多くありますが、私は、その秘密は「効率」に着目したドイツ人の考え方にあると考えます。まず、ドイツではそもそも労働時間は原則8時間、長くても10時間と決まっており、しかも残業したらその分後日早く仕事を切り上げて良いという決まりがあります。加えて、「閉店法」により営業できる時間が決まっていたり、営業してはいけない日が法律で決まっていたりします。これにより、「限られた時間の中でいかに効率的に結果をもってくるか、成果を出すか」を意識することに繋がるのだと思います。また、強い個人主義的な考え方もこれに影響しており、日本でよく見かける「同僚や上司に気兼ねして定時に帰れない」「長期休暇や有給休暇が取り辛い」なんて忖度はしません。ドイツ人の職業観として、仕事はあくまでも生活の糧を得るための手段にすぎないため、個人の生活は犠牲にはしないんですね。趣味や自分のために使う時間などの「金銭では測れない価値」を意識するといった考え方は、「過労死」が度々話題になる、ワーカホリックな日本にて是非広まって欲しいな、と思うばかりです。
ドイツの働き方を学んでみて感じたことは、「日本はどちらかと言うと質より量を見がちだが、頭を使って質を磨くことで、量を減らすことができ、負担削減につながるのではないか」ということです。
この世に生きる限り、どの人間にも時間は平等に1日24時間しか与えられていません。これは変えられない事実です。であるならば、有限な時間をいかに効率よく自分のために使えるか。頭を使ってこれを考えた方が、だらだら時間だけがただ過ぎ去るのを待ちながら働くよりよっぽど幸せなのではないか、と改めて考えさせられました。
効率命!生産性命!残りの時間は自分のために使う!ドイツの働き方から学んだことを今後の人生において大切にしたいと感じました。