コラムcolumn

2021/6/4 コラム
「自己定義はアップデートが必要」

あなたにとって、自己定義はどんなことですか?詳しく教えてください

(北九州支部 濱田怜亜)

「自己定義とは何か。」聞かれて答えられる人はそう多くはないと思います。私にとっての自己定義は、なりたい像に近づくための手段です。人は「こうなりたい」「自分は○○だ」という思いをもつことで、自分が今何をすればよいかが明確になります。人生設計をする上で、どうなりたいか、どう在りたいかは、自分の行動を決める非常に重要なものなのです。

私の経験上、何かを成し遂げている人は必ずと言っていいほど、なりたい像もしくは強い意志をもっています。自分自身で思い込むことでより具体的にイメージでき、将来のビジョンがはっきりする。そうすることで必然と自分に足りないものに向き合うことになるからです。

自己定義がなく、自分が何をしたいかをわからないまま、大学生活を過ごしている学生は少なくないでしょう。私自身、1年の秋までは「こうなりたい」「私は○○だ」といった強い思いはなく、ただ漠然と安定した職業につきたいという思いだけがありました。それは、自分が得意不得意を把握できていなかったからというのもあるかもしれません。経験や知識がないままでは、自分の向き不向きさえわかりません。そして、自分に向き合うタイミングさえも見失ってしまうかもしれません。これは今になって分かったことです。インターンの2か月間で自分の興味がある分野だけでなく、幅広い職業の方から話を聞けたからこそ気づけたのでしょう。様々なことを体験しなければ自分に何が向いているか、何に興味があるかという問いには想像でしか答えることができないのではないでしょうか。

「では、自己定義はいつするのか」と思われた方もいるのではないでしょうか。私はある程度経験をして自分の興味・関心のある分野が絞れてくれば、自己定義をした方が良いと思います。何も目的がないまま多くの経験をしても、「楽しかったな」の一言しか最後に残らないからです。アンテナを立て自分の感性に敏感になることは、自分に向き合う最もシンプルな方法です。そこで感じたことを残し後で振り返ることで、自分の中で整理していかなければなりません。そして、そこで得たものを次に繋げることが重要なのです。

自己定義は固定的なものではなく、環境や時間と共に変化する、更新され続けるものです。人生を通じてアップデートしていくことで、自分が今まで持っていなかった価値観を知ったり考え方に柔軟性が伴ってきたりします。つまり自己定義をすることは、自分と向き合うタイミングをつくること、考え方をアップデートする機会だと私は捉えています。

 

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