コラムcolumn

2021/5/20 コラム
「日本の働き方とヨーロッパの働き方」

ヨーロッパの働き方についてどう思いますか?

ヨーロッパの働き方には日本にはまだない制度やシステムが多く存在しています。もしこれらの一部を日本に導入したときには、日本で今問題となっている過労死や残業の問題を解決することができるかもしれないです。しかしそれらの制度やシステムにはメリットと同時にデメリットも存在し、一概に日本よりも進んでいるからと取り入れることは難しいと考えます。

例として労働時間に注目してみます。
日本の1年の労働時間は1680時間であるのに対し、ドイツ1363時間、フランス1520時間、イギリス1538時間となっており200~300時間ほどの差が開いています。ここから日本はヨーロッパよりもかなり多くの時間を労働に費やしていると言えます。
さらに労働生産性【1時間あたりの労働生産性=生産量÷(労働者数×労働時間)で算出する】で見てみると、日本は47.5ですがドイツ69.8、フランス67.8、イギリス53.5となっています。
このデータからだと、日本はヨーロッパに比べ労働の時間のわりに生産性が低く、効率が悪いといえるかもしれません。

ではなぜ労働時間に差が出るのかを考えると、その国の国民性や法律、休暇の違いが影響しているそうです。
例えばドイツでは、法律で1日8時間を超える労働が禁止されており、違反した場合には経営者の禁固刑や罰金刑が存在します。
イタリアでは家族との時間を大切にする国民性から、お昼に1時間半から2時間ほどの休憩(シエスタ)が与えられ、自宅で昼食をとる人も少なくないそうです。またポンテという、祝日と休日に挟まれた日を休みにするシステムがあり、連休が多いのも特徴だそうです。このように過剰な労働を規制したり、連休を増やすことで休ませるシステムがヨーロッパに存在し、それらが労働時間の差につながっているといえると思います。また、ヨーロッパで、「チームで仕事をする」というより「個人の考えを尊重する」個人主義が根付いるそうです。自分の仕事以外に手出しする必要はなく自分の仕事さえ終わればさっさと帰るのが当たり前であることが多いので、人間関係のわずらわしさが少ないのも影響しています。

しかしこれらのシステムにも負の側面が存在します。
ヨーロッパでは成果主義が採用されているため、管理職は、長時間の残業をしていることも多いそうです。
また長期休暇が権利としてとらえられ、国民全体で受け入れている分その間の仕事に支障が出るそうです

では日本はどうかというと、日本には、「長く働けば働くほどがんばっている」と評価される文化・価値観が根付いています。さらに上司から承認が必要という働き方が主流のため、どうしても個人で働くというよりは、チームや会社で動いていくという形になります。よって成果重視であるのに個人の希望を尊重した働き方が難しいのが現状です。その結果、冒頭でもあったようなサービス残業や生産効率の低下につながってしまっています。

私はこれらの日本の労働状況の改善のためには、個人の働き方が尊重されているヨーロッパの働き方を参考にしていくのが良いと思います。ただ、日本の国民性や社会システム的にも休暇や雇用形態を大きく変えていくのは難しいでしょう。しかし人口減少による労働人口の低下が進んでいる今の日本で、サービス残業があたりまえの生産効率が低いまま行くとどうなるでしょうか。
おそらく生産力は落ち、30年後国際社会の中で日本が上位を占めるのは難しくなると思います。次の世代のためにも今、ヨーロッパを手本とした「個人を尊重した柔軟な働き方」を検討していくべきだと思います。

参考:en world https://www.enworld.com/blog/2020/05/EU-working-environment

北海道支部スタッフ  岩渕航平

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