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2003/1/6【毎日新聞】岡山版

「若い力で政治を動かす」'03統一地方選を前に(3)藤井智晴さん

「インターンシップ」とは、学生が就職前に企業などで実際に就業体験することを指すが、それを政治の世界に取り入れたのが、議員インターンシップ。岡山大3年の藤井さんは大学1年の時、パソコンで何気なく目にした議員インターンシップのホームページに目を奪われた。「議員のインターンをする発想にまず驚いた。未知の世界をのぞけるようで、ワクワクした」。2年後、その思いは行動へと結びついた。
主催するNPO法人「.jp(ドットジェイピー)」は98年に大阪で結成以来、その活動を全国に広げ、01年夏には広島に中国支部が誕生。藤井さんは去年1月の募集に応じた。県内ではただ1人の参加者だった。
昨年2月から3月にかけて、地元・総社の市議会議員の下で実際にインターンを体験。
4月に実施された市議選に向けての事務所開きなど事務活動を中心に手伝った。
市役所で職員と話したり、陳情に訪れた市民の話を聴いて感じたのは「政治も捨てたもんじゃない」ということ。政治家のスキャンダルが報道でひんぱんに取り上げられ、政治家に悪いイメージしか持っていなかったが、「真摯に活動している議員を目の当たりにして、不祥事を起こす一部の政治家の陰に、まじめな政治家が隠れてしまっていると感じた」という。
「今の政治に足りないのは『わかりやすさ』」と藤井さんは言う。「官僚任せの政策は玉虫色で、政党間でも政策、論点の違いがはっきり打ち出せていない。ビジョンがないから実行もできない」と手厳しい。
若者の政治離れが叫ばれる中、藤井さんが強調するのは選挙の重要性。「世の中をダイレクトに変えられるのが政治であり、市民と政治の唯一の接点である選挙に、市民がもっと関心を持つべきだと思う」。一方で、「関心が薄くなるのは情報が足りないから。行政はもっと情報公開を積極的に行い、関心を持ってもらうための努力が必要」と訴える。
「自分がやらなきゃ、岡山に議員インターンは定着しない」との思いから、昨年4月から岡山代表として活動。メンバーも6人にまで増えた。将来は、生まれ故郷として愛着のある県内で、政治家として地域振興に携わりたいという。「他人任せにしていたら、何もわわりませんから」

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