コラムcolumn

2022/2/9 ジャパンプロデューサーインタビュー
Vol.193 [首長] 戎 斉 岡山県新見市長 「自分の足で市内を歩き気付いた各世代の希望」

〝自分の足で市内を歩き気付いた各世代の希望〟
新見市長 戎斉
JAPAN PRODUCER INTERVIEW vol.193

岡山県北西端部に位置する新見市。
県下2番目の面積を誇る新見市を実際に歩くことで気付いた市の問題と市への想いを
新見市長の戎斉市長にお聞きしました!

< 市長になったきっかけ >

ー大学卒業後、民間企業で働かれていますが、その後新見市役所で働くようになったきっかけを教えてください。

戎市長:

日本大学の工学部を卒業した後に民間の建設会社に入社しました。その後、その企業で12年働き、充実した日々を送っていました。30歳を過ぎ会社から大事な仕事も任せられるようになったのですが、自分が長男ということで将来的に新見市に帰るか、退職後に新見市に帰るかと様々な選択肢を考えるようになりました。
そんなときに新見市役所の一級建築士の募集があり、この機会を逃すと退職後に新見市に帰るという選択肢しかなくなる。ここで大きな岐路に立たされたわけです。そのため実際に新見市の技術職の受験をするかどうか大変悩みました。しかし、働いていた会社の上司から「1度しかない人生、悔いのない人生を送った方がいい」と後押しをされ、新見市に帰ることを決断しました。

ー自分が長男ということで新見市に帰られたということですが、新見市長になりたいと思うようになったのはいつ頃からでしょうか。

戎市長:

正直にいうと、初めは「新見市に貢献したい」や「新見という地域を盛り上げたい」というような大きな夢というのは持ってはいませんでした。
しかし、市役所の技術職として、市の公共施設の建築などに頻繁に携わる中で充実した日々を送りながら年月を重ねそれなりの地位になり、最終的に新見市の副市長というポストに就くことになりました。このあたりから、新見市について考えることが多くなったと思います。
副市長として新見市のために仕事をするなかで、当時の市長が急逝をされました。そのため、私自身副市長という立場で新見市民のために「何かをしないといけない」という責任感を持つようになりました。その責任感から市長への立候補を決めたのですが、その時の市長選では事前の準備が足りず落選ということになってしまいました。

ー1度落選という挫折を経てなお市長に立候補した理由を教えてください。

戎市長:

退職前は市役所の職員として業務を通して新見市を見ていましたが、退職後は外から一市民として行政を見るようになりました。一市民として行政の歩む姿を見る中で、このままでは新見市で将来的に様々な問題が起きてしまうと強く感じるようになりました。そして、その問題に対して、これまで培った自分の経験を活かすチャンスを見つけたい、そういった思いからもう一度市長に挑戦しました。

市長に再度挑戦する際に問い直したことは、自分の住んでいる新見市をどれだけ知っているかということです。新見市は岡山県で2番目に広い市なんですが、私は市内全域を自分の足で歩こうという決心をしました。自分の足で歩き、自分の目でみて、地域の方の話を聞き、自分の肌で新見市のことを感じようと思ったのです。

そして、実際に新見市の全域を歩いてみると、新見市は深刻な問題を抱えているということに気付きました。例えば、非常に空き家が多い、耕作放棄地が増えている、お年寄りが病院や買い物に行くのに不便している。こういった新見市の問題を肌で感じ、なんとかしないといけないと思うようになりました。

< すべての世代が希望を持てる新見市 >

ー課題感を持たれた新見市の問題に対してどのような政策をおこなっていますか。

戎市長:

現在、新見市では試験的に公共交通の問題に対する施策を実施しています。交通の問題は若い人には特に問題にはならないのですが、免許証を返納した後期高齢者には特に大きな問題となります。例えば、バス停まで歩いて行かなければならない、目的地に向かうバスが一日に数本しかない。こういった様々な制約の中で後期高齢者の方達は公共交通機関を使われています。そのため、どのように公共交通機関を使いやすくするかということを考えるようになりました。

そこで、先ほどの試験運用の話に戻るのですが、新見市では公共交通をタクシーのような形で利用できるようにしています。公共交通機関を予約することができ、自分の来て欲しい時に来てもらい、目的地に行くことができるという仕組みを制度化していっている段階です。

ー新見市の問題を解消していき将来的にどんな新見市にしていきたいと考えていますか。

戎市長:

先ほど述べた問題、公共交通機関や耕作放棄地や空き家といったものの本質はすべて人口減少です。これは日本全体の問題でもありますが、新見市でもこれが一番の問題となっております。そういった中で人口減少をどうにかしていかなければと強く思っています。
では、人口減少を考えた時に、社会減と自然減というものがあります。自然減とは死亡などによる人口の減少のことです。逆に社会減とは市からの流出のことを指します。

ここでやはり私が目指したいのは、人口の流出を抑え、人が流入してくる市です。そのためにも、新見市に住むすべての世代が希望を持つことができる、そんな新見市にしていこうと思います。
しかし、希望というのは各世代によって違います。これは私が新見市の全域を歩き、実際に話を聞いたからこそ思うことです。例えば、高齢者であれば先ほど述べたように公共交通の充実を望んでいますし、子育て世代であれば子育てしやすい環境の整備を望むものです。また、若い世代では商業・娯楽施設などの充実を求める声が多くありました。

このように各世代の希望というのは本当に幅広いですが、それらを網羅的に対処していくのが行政です。そして、各世代の方が希望を持てる新見市にしていくのが私の役割である。そういった気持ちで取り組んでいます。

ージャパンプロデューサーとして若者に対してメッセージを頂いてもよろしいでしょうか

戎市長:

若い人には夢と希望をもってほしいです。夢というのは実現できないような大きなもの。希望というのは実現可能なものだと私は考えています。夢と希望のどちらも持ち、それらに向かって努力してもらいたい。夢に向かってチャレンジしてもらいたいと思います。それが必ず結果をもたらすと私は思います。

(インタビュー:2021-12-10)

プロフィール

■生年月日 昭和31年10月26日
■略歴
昭和54年(1979年) 3月 日本大学工学部卒業
昭和54年(1979年) 4月 不動建設株式会社 入社
平成 3年(1991年) 3月 不動建設株式会社 退社
平成 3年(1991年) 4月 新見市役所 入職
平成27年(2015年)12月 新見市役所 退職
平成28年(2016年) 1月 新見市副市長 就任
平成28年(2016年)11月 新見市副市長 退任
令和 2年(2020年)12月 新見市長 就任

※プロフィールはインタビュー時のものです。
新見市インタビュー風景
2021年12月10日 zoomにて
(左:戎市長、右:ドットジェイピースタッフ)

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