ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.237 [首長] 濱田 剛史 大阪府高槻市長 「未来志向で、次世代に品格ある高槻を!」

〝未来志向で、次世代に品格ある高槻を!〟
高槻市長 濱田 剛史
JAPAN PRODUCER INTERVIEW vol.237

大阪と京都の中間に位置し、たくさんの人で賑わう高槻市。
都会でありながら、豊かな自然と歴史資産に触れることもできます。
魅力あふれる高槻市の未来のために奮闘する
濱田市長にお話をお聞きしました!

< 法曹の世界から政治の世界へ >

ー市長になろうと思われたきっかけはなんですか?

濱田市長:

私は市長になる前は法曹として検事や弁護士の仕事をしていました。法曹の道を選んだのは、子供の頃からなにか社会のためになる仕事をやりたいという気持ちがあったからです。
市長になろうと思ったきっかけは前の市長からお誘いを受けたことです。弁護士として高槻市で仕事をしていた時に、前市長が引退されるということでお誘いを受けました。お話をいただいた時に、市長という仕事は社会の役に立つ仕事だと思い決意をしました。

< まちづくりにかける想い >

ー現在市長が取り組まれていること、そのうえで課題と感じていることは何ですか?

濱田市長:

まちづくり、教育、健康づくり、防災、歴史保存など、さまざまなことに取り組んでいます。高槻市民の皆さんには高槻に住み続けたいと思ってもらわなければいけないし、市外の方には高槻に住みたいと思ってもらう必要があります。そのために、特に子育てや教育に関する施策には力を入れており、高槻市が全国トップレベルだと思います。歴史保存については、安満遺跡公園の整備とか今城塚古墳整備など歴史資産の保存活用ですね。特に安満遺跡公園は防災機能とにぎわい作りをしていきたく整備しました。まさに現在、多くのイベントを開催していただいています。

課題については、やはり財政の話です。現在の日本の財政方針はお金を出さない方向になっていて、様々なところでお金が足りなくなっています。なので市として思い切った投資をしづらいのが現状です。また、国民の間に回っているお金の量が少なくなっています。これはほとんどの職種の方に当てはまる話です。所得が下がるので、消費は冷え込み経済が回らなくなりますよね。さらに結婚しにくくなるという問題も出てきます。もし結婚しても共働きになり、子育てできるほどのお金と時間の余裕がなくなり、子供を産めなくなり、人口が減る、という悪循環に陥ってしまいます。

ー「高槻みらい創生」という言葉を掲げておられますが、濱田市長はどのような想いでまちづくりをしていますか?

濱田市長:

今の時代は、前述のように政府がお金をあまり出さず経済が停滞している状態です。今私たちがするべきことは、たとえ経済が停滞していても、高槻の都市機能を維持・成長させていき、それを次の世代、さらにその次の世代に引き継いでいくことです。そのために都市基盤作りはもちろん、次世代のための子育てと教育に力を入れています。子育てと教育については全国トップレベルの水準に保っていけるようにしています。学校間で学力の差が生じないように底上げしていく必要があると思います。

また、まちづくりの際には、無機質なまちづくりではなく、品格あるまちづくりを目指しています。「無機質なまちづくり」というのは、ただ道路整備や再開発しただけのようなまちづくりのことです。もちろん大事なことではありますが、それではどこもおなじような街並みになってしまいがちです。少し時代を遡り戦国時代や江戸時代には、日本人だという認識が根底にあったうえで、各地方地域で異なる個性的なまち作りをしていました。それが日本の強みで、同時に違う文化が築かれ、交流し合って発展してきたのだと思います。
「私高槻市民なんです!」「ああ!あの高槻ですか!」と言ってもらえるようにまちづくりをしていきたいと思っておりますし、現在取り組んでおります。

< 色々な価値観を理解し、行動に移す >

ージャパンプロデューサーとして、弊団体のインターンやコンテストに参加する学生に向けてアドバイスお願いします。

濱田市長:

まず学生の皆さんには、いろんな価値観があることを理解したうえで物事を判断できるようになってほしいです。価値観を理解するのに一番良いのは、いろんな書物を読むことですね。特に昔から読まれてる本がおすすめです。ちなみに私は司馬遼太郎氏の書いた本が面白くて好きです。内容が本当かどうかは別として、歴史の入門書みたいで面白いです。YouTubeを見ることも良いと思います。動画を作る人によりますが、一生懸命作られているものは観ていたら理解できるし、結構面白いと思います。

つぎに、いろいろ理解して知識を蓄えた上で、今皆さんが当たり前だと思っていることに一度疑いの目を向けてほしいです。特に若い時は一回信じるとそうだと思い込んでしまいがちです。テレビやネット上の情報は半分ウソだと思うくらいの気持ちじゃないと、大きな勘違いをしてしまうかもしれませんね。

私は今の日本は理想の姿ではないと考えています。現在の日本は縮小していくことを前提に物事が進められていますが、日本という国はまだまだ成長できるはずですし、それはやり方によってすぐに成長に変わると私は信じています。我々も頑張りますが、皆さんが就職して社会人になったときに、声を出して実際に行動を起こしてほしいと私は思います。

(インタビュー:2022-12-14)

プロフィール

■生年月日 昭和39年10月30日
■略歴
昭和62年3月 大阪経済法科大学法学部卒業
平成5年 司法試験に合格
平成8年 東京地検等で、少年犯罪、贈収賄事件などを担当
平成14年 大阪地方検察庁検事退官、弁護士に
平成21年4月から平成23年3月まで市公正職務審査会委員
平成23年5月から高槻市長に就任(現在3期目)

※プロフィールはインタビュー時のものです。
濱田市長とのインタビューの様子
2022年12月14日 高槻市役所にて
(写真奥:濱田 剛史市長 写真手前:ドットジェイピースタッフ)

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