STAFF INTERVIEW

Vol.12【泥臭くたっていい】熱い想いを内に秘める彼が、山形支部を立ち上げるまで ──団体で得た、ブレーキを外す経験と人との信頼

「自分の意思で何かを始めたことなんて、ほとんどなかった」

そう語る彼が、のちに“ゼロから支部を立ち上げる”挑戦を選ぶとは、誰が想像したでしょうか。

引っ込み思案な少年時代、なんとなくで始めた大学生活。
けれど、ある春の日にふと踏み出した一歩が、彼の人生のギアを確かに変えました。

派手さなんてなくてもいい。
泥臭く、地道に、信じた道を歩む姿に、人はなぜか惹かれる。

これは、山形に支部を生み出した一人の男が、「仲間と信頼」を糧に、
ブレーキを外して走り抜けた物語です。

◎プロフィール
 名前:山田拓(やまだたく)
 出身:宮城県利府町
 大学:山形大学人文社会科学部
     →欧米文化を専攻
 年齢:33歳
 職業:社会保険労務士法人エリクスの代表社員
    株式会社導の代表取締役
 →ドットジェイピーキャビネットとして、学生スタッフに支部運営のアドバイスをしている。

▶︎自分の意思で踏み出せなかった少年が、はじめて動いた春の議員インターンシップ

大学時代の山田さん

宮城県利府町出身の山田さんは、自らを「恥ずかしがり屋で引っ込み思案だった」と振り返ります。

高校時代は野球部を途中で辞め、友達がやっていたという理由でバレー部に入部。
決して自分から前に出るタイプではなかったそうです。

そんな山田さんが初めて「自分の意志」で何かに飛び込んだのは、大学2年の春でした。

きっかけは、友人からの一言。

「議員インターンっていうのがあるらしいよ」

なんとなく将来に焦りを感じていた時期。
卒業や就職の足音が近づいてきて、「何かやらなきゃ」と思っていたタイミングでした。

友人からの紹介をきっかけに、深く考えずに「やってみよう」とインターンシップへの参加を決意したそうです。

実際の活動は、予想していたような派手さはありませんでした。

福祉施設の見学や事務作業の日々。

しかしその中で、山田さんは「大人も意外と地道に頑張っている」ことを知りました。

「すごく華やかな活動ではなかったけど、それでも楽しかったんです。
自分の知らなかった世界を知れて」

自分の意志で掴んだ初めての挑戦が、彼の大学生活、そして人生を大きく変えていきます。

▶︎「山形支部をつくりたい」──小さな声が、大きな挑戦に変わるまで

山田さんは、インターンシップ後にドットジェイピーのスタッフとして活動を始めました。
理由は「暇だったから」と「この活動をもっと広めたかったから」の2つでした。

最初は山形大学の学生を集める担当でしたが、徐々に責任あるポジションを任され、ついには山形エリア全体の立ち上げを担うことになります。

当時、山形県にはまだ活動拠点がありませんでした。

東北地方にある唯一の活動拠点は「宮城県」。
スタッフミーティングに参加するには、毎週土日に仙台まで通わなければいけませんでした。山田さん自身も、何度も片道1時間以上かけて仙台の会議に参加していたそうです。

──こんなに大変なら、山形に拠点をつくればいいじゃん!

山田さんはその素朴な想いを当時の執行役員にぶつけました。

「山形支部をつくりたいです」

その言葉がすべての始まりでした。

組織としての実績もない、拠点も人もゼロからの挑戦。
予想よりも遥に簡単な道のりではありませんでした。

しかし、山田さんは「1人でも多くの人にインターンシップを届けたい」という熱い信念を持って動き続けました。

団体の総会で「最優秀支部賞」を受賞した

仲間を集め、拠点を作り、2期連続の目標達成を果たした先で、山形支部は正式に「支部」として昇格する。そしてその年、全国30支部の中で最優秀支部賞を受賞するに至りました。

▶︎「お前にはもうついていけない」─それでも人を信じ続けた日々

順風満帆に見えた山形支部の立ち上げですが、その裏には山田さんの葛藤がありました。

特に大きなターニングポイントは、支部代表として初めて活動した3期目。

「この期を絶対に成功させて、支部昇格に繋げたい」

最初はその強い気持ちが、時に周囲を置き去りにする独りよがりな運営へと繋がってしまったそうです。

4年生としての時間的な焦りも重なり、ついには仲間から「お前にはこれ以上ついていけない」と言われてしまいます。

ー隣には誰もいない。

そう思ってからは、「誰かの力がなければ、自分は何もできない」と気づいたそうです。

その経験は、山田さんにとって大きな転機となりました。

そこから彼は、誰も置いていかない組織運営を心がけるようになります。

仲間に寄り添い、信頼し合うチームづくりへと、運営スタイルを変えていきました。

行動を変えていく中で、仲間は山田さんと同じ方向を向き、一体感を持ってインターンシップの運営に力を入れました。

そして迎えた4期目。

最優秀支部賞を受賞した直後の、最後の支部ミーティング。
山田さんは、涙ながらにメンバー一人ひとりに感謝を伝えました。

「こんなに幸せな気持ちで活動を終えられるなんて思ってなかった」

彼の挑戦は、チームとともにありました。

▶︎「この世の中に、頑張っていない人なんていない」

ドットジェイピーで得たものは、運営スキルやリーダーシップだけではありません。

「ブレーキをかけずに、全力でやる経験って、なかなか社会に出たらできない。でも、ここではできた。それが本当に大きかったと思います。」

その後、就職し東京で約3年半を過ごすも、彼女との生活を考え地元仙台に帰る決断をしました。

お子さんとのツーショット

現在は社労士の資格を取得し、2社の代表を務めています。
そして、家族との暮らしを大切にしながら、自分の理想とする社会の実現に向けて仕事をしています。

「相手の人生背景を尊重すること。それを踏まえてコミュニケーションをとることを大切にしています。どんな人も、それぞれに頑張っている。だからこそ、お互いを尊重し合える社会にしたい。」

仕事を通して、様々な人生に向き合う山田さんは、これからも自分の選択に自信と覚悟を持って突き進んでいきます。

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