ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.169 [首長] 会田 真一 茨城県守谷市長 「夢を持とう」

市長

茨城県守谷市長 会田 真一

 

市長になろうと思われたきっかけについてお聞かせください。


最初は守谷の町議として働いていましたが、市民の方々に背中を押していただいて町長になることを決めました。実際町長・市長をやっていて、議員以上に責任が重く大変な仕事ではありますが、まちづくりはやっていて楽しいところもあります。首長は政策をスムーズに実現できるようになるまでに時間がかかり、最低3期やってようやく、やらねばならないことだけでなく、やりたいことができると感じています。昭和の大合併で今の守谷になりましたが、1955年以来の首長は4人と皆さん比較的長く首長を務められていて、落ち着いてまちづくりをできていると感じています。



守谷市をどんな市にしていきたいかについてお聞かせください。


この町に住んでよかった、守谷に来てよかったと市民の方々に思ってもらえるまちづくりを目指しています。つくばエクスプレスができるなど、環境の変化はいろいろありましたがこの方針は20年間大きくは変わらないです。
市民の皆さん自らの「この市をよくしたい」という想い以上に市はよくならないと考えていまして、昔から市民の皆様と一緒に協働のまちづくりを続けています。例えば、市民が主催する「ようこそ守谷へ」というイベントが開かれています。これはこの1年間で守谷市に来た人に、市内のサークルなどをご案内するイベントです。こういった努力が実を結び、守谷市は子育て世代も含めて人口が徐々に増えてきています。過去に、たまたま守谷市を通りかかったらとてもいいまちだと感じたので住むことに決めたという方もいらっしゃいました。
他にも、公園の管理なども市民の方が一緒にやってくださいます。公団の中の公園には木が密集しすぎているところがあるのですが、そこの手入れなども市民と一緒に行っています。また、守谷市は地域によっては古い団地は高齢化率が高かったりするため、どのようにケアをしていくかを地域の人にも考えてもらっています。地域ごとに市でも担当職員がいて、問題が発生すると職員と市民で解決方法を一緒に考えたりしています。
このように市民の方々と共に取り組んでいることはいろいろありますが、残念ながら、このような行事に若い人たちは少ないです。守谷市に住んでいる若い人たち自体は、子育て世代の30代を中心に増えているのですが、あまり地域の活動にはいらっしゃいません。若い人たちは就労環境も厳しく、まずは生活を成り立たせないといけないということもありますので、仕方ないこととは思います。



市役所内のマネジメントで留意している点はございますか?


公約というのは最初は実績のない状態で、必ずやりきる!という想いで発言するものですが、2期目3期目になるとできることをちゃんと発言するようになります。職員にも「市長の公約している政策だから」ということをわかってもらえるように、伝え方は工夫しています。そのほか、職場の風通しをよくするため「なんでも市長である自分に話してほしい」とか、「若い職員の意見も聞くように」と言っています。
職員に一番お願いしているのは「自分(市長)の顔を見ないで、市民のほうを向いて仕事して欲しい」ということです。経済的なコストにせよ人的なコストにせよ、新しいことをするためには古いものを削らなければならないので、既存の事業をやめることも必要です。そのとき、市民の声を聞きながら今やっている事業が本当に必要なのか考えるのは大切です。民間の方も交えての事業評価も行って、事業の必要性を常に考えています。



若者が政治に参画してもらうために行っている施策などありましたらお聞かせください。


若者とそうでない人を区別するのがそもそもおかしいような気もしています。お年寄りの方のほうが自由に使える時間が多いですし、平日は仕事に子育てにと忙しい若者が、お休みの日に行事に出てきたりするのは難しいというのもわかります。
ただ、福祉はもちろん大事ですが、子育て世代にお金を使いたいという思いはあります。実際、守谷市は子育て世代に予算を使っている方だと思っています。例えば、小学校1、2年生で25人以上のクラスには複数担任制をとっていたり、ネイティブの先生による英語の授業もいれています。また、全国ではじめて、B型肝炎のワクチンをすべての子供が無料で受けられるようにしました。



若者にメッセージがありましたらお願いします。


学生時代にはいろいろ経験が必要だと思います。特に議員をめざすなら社会経験が絶対に必要です。また、これからは若い人がまちづくりをしていくわけなので、そういった社会経験を基に、まちづくりにはぜひ一緒に参加してほしいです。その際、どうせ行政がやることだから…という思いではなく、自分ならこうしたいという思いを持ってほしいです。いま行っている政策を正当に評価して、それがいいことならもっと伸ばしていけばいいし、反対ならもっとこうしたらいいのではという意見が必要です。どの政党の、どの政治家の政策だからということではく、政策の中身を見て判断して欲しいと思います。予算にも限りはありますから、限られた予算をどう使っていくか、予算を掛けずにできることはないか、なども主体的に意見を発信していただきたいと思います。
そして、若者は夢を持つことが最も大事だと思います。不景気であることが当たり前という時代が長く続きましたが、それでももう少し夢を持ってほしいなと思います。
2020年の東京オリンピックをきっかけに、もっと夢を持てる時代になったらなと思います。




氏名:会田 真一
生年月日:昭和26年2月2日
出身:守谷市

学歴
昭和32年4月:守谷町立高野小学校入学
昭和38年4月:守谷町立守谷中学校入学
昭和41年4月:茨城県立水海道第一高等学校入学
昭和44年4月:中央大学文学部入学

公職歴
昭和55年3月1日:守谷町議会議員(昭和63年2月29日まで)
平成4年12月6日:守谷町長(第1期)
平成8年12月6日:守谷町長(第2期)
平成12年12月6日:守谷町長(第3期)
平成14年2月2日:守谷市長(市制施行により、第1期)
平成16年12月6日:守谷市長(第2期)
平成20年12月6日:守谷市長(第3期)
平成24年12月6日:守谷市長(第4期)

その他
平成9年4月6日:茨城県ハンドボール協会 会長
平成15年5月24日:茨城県体育協会 理事
平成23年6月1日:茨城県市長会 会長
平成24年5月18日:全国市長会 関東支部 支部長(平成25年5月16日まで)
平成25年6月5日:全国市長会 副会長
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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