ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.186 [首長] 並木 克己 東京都東久留米市長 「志のスイッチを入れる!」

市長

東京都東久留米市長 並木 克巳
選挙区 東京都東久留米市
個人ホームページ

 

学生時代のお話についてお聞かせください。


子どもの頃から、色々なイベントや企画を練る中心にいた気がします。中学生の頃は生徒会をやってました。多くの人を巻き込んで色々と楽しいことを企画したり、みんながひとつになるようなイベントが大好きでした。
自分がリーダーとしてみんなを引っ張るというよりは、色々な人を巻き込んで、輪に溶け込めないような人も魅力を引き出して輝かせる、そしてみんなで一体となれる環境を作る事が好きでした。自分をさらけ出し、オープンマインドで「みんな仲間だ」という気持ちでチームを作っていましたね。今は、学生時代よりは丁寧に人と接していかなければならない立場ですが、変わらずオープンマインドを大切に、時間を掛けてでも人間関係を築いていきたいなぁと思っていますね。



政治家になろうと思われたきっかけ、についてお聞かせください。


就職で一旦地元を離れて、数年後に戻ってきたときに、初めて本格的に地域に触れた感じがしたんです。学生の頃は地域というのをあまり意識していませんでしたが、社会人になって、消防団や地域のお祭り、運動会などに参加するようになって、地域に接点が多くなりました。そして、偶然同じような思いを持つ同世代の仲間6人に出会うことができて、「東久留米市で大きなお祭りをやりたい!」という発想から、機動力をより高めるために組織を作ろうと思ったんです。
その当時、東久留米市は東京の中で唯一、青年会議所という組織がありませんでした。そこで、近隣の清瀬市の青年会議所に修行に行き、並行して東久留米市で仲間を集めたんですね。最終的に3年間で50人以上の仲間が集まり、青年会議所を立ち上げることができたんです。この頃から本当に寝食惜しまず、「まちづくり、仲間作り」に没頭してましたね。
そして、青年会議所として地域貢献を進めていく中で、目指すビジョンに近づけるためには行政との関わりが必要になり、行政の運営に関心を持ち始めました。そして、ちょうどその時、私が32歳の時に、前々市長が議員を辞められて市長選に出るために、議員の補欠選挙があり、そこで手を上げたのが政治への道の第一歩ですね。



市長になろうと思ったきっかけ、についてお聞かせください。


議員として色々と政治に携わってきて、議員としての立場の市政の見方と、市長としての立場の見方の違いを意識し始めました。そして、自分の目指す東久留米市のビジョンを実現していく上で、市長であることはとても意味があるなぁと考え始めている頃に、ちょうど前々市長が体調を崩されて、急遽後任にお声がけを頂いたんです。残念ながらその時は選挙で負けてしまったんですけど、私自身は「東久留米市をこうしたいんだ!」という思いがある中で、市長であるべきだという気持ちを持ち続けていて、今回改めて再チャレンジをさせていただいたわけなんです。



どんな市にしてきたいかについてお聞かせください。


「夢と希望の持てる元気な東久留米を作るんだ!」というのが、私のスローガンです。「元気」というキーワードを大切にしていて、つまり「活力のある町」にしたいと思っております。
東久留米市は税収面で行くと厳しい自治体のひとつで、人口は11万6千程度ですが、高齢化率が近隣の多摩地域26市の中でも3番手に高いという特色があります。また、法人市民税が多摩地域の中でも下位であり、住民の皆さんからお預かりする税収が柱になっています。ですから、高齢化社会においても持続できる元気な町にしていくために、税収構造を改善していく必要があります。若い子育て世代が定着してくれるような政策に力をいれていきたいですね。それから、なんと言っても高齢者の方には元気でいてもらいたいし、それが活力の元だろうと思っておりますので、健康増進、介護予防等を強化することと同時に、高齢者の方が社会貢献に参加しやすい環境づくりを進めていきたいと考えております。
例えば、子供土曜塾。シニアの方々にご指導いただき、子ども達がプリント学習に取り組んでいます。子ども達は無料で土曜日も学習でき、先生もとても優しいので、子どもたちの目が輝いてくるんですね。シニアの方々には僅かな謝金で協力していただいていますが、シニアの方々も元気になられて、社会貢献の場の力を感じています。このような施策をさらに広げて、この東久留米に家を持って定住する事が、どの世代にとっても良い事だと感じていただきたいです。
それから、地域コミュニティの活性化、支えあう環境づくりのために、地域の皆さんが参加してつくる「東久留米市民の日」を設立したいと考えています。1日だけではなく期間を設けて、その間にいろんなイベントを行う予定です。地域対抗つなひき等、色々な仕掛けをしながら、その地域の連帯感を強くし、若い人もシニアの方も、男性も女性も、一体感を持てる様な仕組みを考えていこうと思います。そのイベントを通して、市民の皆さんが、東久留米市民であることの誇りを持ち、市民同士の連帯感をつくって、地域を愛し、支えあう環境を育んでいきたいと考えています。例えば、東久留米市民の日は、学校の給食に東久留米で取れたものを子どもたちに出して、生産者の人も一緒に食べられたりしたら面白いでしょう。野菜のレシピコンテストをしても面白いんじゃないかなぁって考えています。
また、姿勢としては「チャレンジする市役所、チャレンジする東久留米市」という気持ちを市全体の風土としていきたいと考えています。私自身もチャレンジする気持ちをもって、それが町内にも波及していくように励んでいきたいと思います。



若者に対して期待することをお聞かせください。


二つあります。一つは、志、使命感、目的意識を持ってもらいたい。
皆さんが、「今、行政や地域にどういう接点を持っているか」という結果は、「どういう志、どういう思い・理念を持っているのか」によるものだという気がするんです。
「皆さん、何か地域活動をやってますか?」と聞いたときに、何人の方が具体的に答えられるでしょうか。選挙の投票というのは本当に一番の社会参加であり、民主主義の行使だと思うんですけど、それを自信をもって今の若い人達が「行使してます」と言えるでしょうか。
私自身も学生の頃は地域活動に積極的だったわけではありません。社会人になって、この地域に接点ができて、「俺、何も分かってなかったなぁ」というところから一気に主体的になったんですけど、皆さん自身がそのスイッチを入れて行動していただきたいんです。私も、いろいろな方法で皆さんの志のスイッチを入れていきたいですし、それが「私の責任」であると思っています。だから、地道ですけど地域活動の推奨や人と人の接点作りから突破口を開いていきたいなぁと思っています。先ほどの「東久留米市民の日」がその一例ですね。

二つ目は、真実や真相を見抜く目を持ってほしい。「今、目の前にあることだけが事実かどうか」という判断を常にしてほしいんですね。そのためには私は、今の若い人達には多くの経験をして、多くの知識を得てほしいと思っています。判断力はそういった経験知識が裏づけになると思うんです。今のうち失敗は沢山できるので、色々な経験をつんでもらいたいし、世界を見てほしいです。
私は、若者は、エネルギーや発想力があって、行動力・突破力を持っている者であり、これからの時代を担っていっていただく、継承をしていただく方々だと思っています。だから、我々先輩が育てなきゃいけないという想いもありますし、閉塞的な環境があれば突破してもらいたいという気持ちもあります。
だからこそ、私の未来への責任として、皆さんが志のスイッチを入れるきっかけをどんどん提供していきたいと思っていますし、皆さんには真相真実の目をもって、大局を見て、失敗を恐れず行動してほしいと思っています。



(インタビュー:2014-7-11)


生年月日 昭和44年4月3日
明治学院大学経済学部卒業
民間企業就職
東久留米市議会議員(4期10年)
東久留米市長(平成26年1月~)
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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