ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.230 [首長] 佐藤 智 宮城県栗原市長 「あたたかいまち、栗原」

〝あたたかいまち、栗原〟
栗原市長 佐藤智
JAPAN PRODUCER INTERVIEW vol.230

宮城県で一番大きな市であり、自然豊かな栗原市。
市長を目指された原体験や、大切にされていることを
佐藤 智市長にお聞きしました!

< あたたかい”栗原” >

ー佐藤市長が政治や行政を目指された原体験を教えてください。

佐藤市長:

私は地元の高校を卒業し、そこから役場の職員を経験しているんです。なんで役場に入ったかというと、一番の原点としては、高校時代に役場のアルバイトをしていたということがあります。当時は水道を引くための測量のアルバイトをしていたんですけど、その時に一緒に働いた人たちの優しさ、そして市民、町民のためにする仕事があるんだと思ったことが役場に入るきっかけになりました。
ですから、いろんな仕事がありますが、同じ”仕事”をするんだったら、人の役に立つ、特に町民の皆さんのために仕事をしたいと思ったことがきっかけでした。

私は政治とは無縁でしたが、当時副市長をしていて、前の市長が勇退するとなった時、このまましっかりと市を継承するためには、私が立候補するべきだと考えました。
一回目の選挙は落選しましたが、せっかくこれまで市民の皆様の為に活動してきたのだから、できればもう少し続けたい、また、支えてくれた方々へ恩返しと言った意味も込めて引き続き立候補しました。根底にあるのは、”人のため”といった想いでしょうか。

ー佐藤市長が考える、理想の30年後の栗原市について教えてください。

佐藤市長:

市民の皆さんが、笑顔で安心して暮らせる町が理想ですね。
色んな企業とかお店とかがいっぱいあればいいのですが、栗原は人のよさと自然が30年後もなくなることが無いような、そういったまちになったらいいと思います。
例えば、うちの隣のおばあさんは足も悪くて、草取りをするのも厳しいくらいですが、知らないうちに台所の戸口に自分が作った野菜をしょっちゅう置いていくんです。
隣近所同士が仲がいいというか、そういったお付き合いができるまち、そんな栗原市が理想ですかね。

また、保育園の騒音問題等もあるでしょう。そういった問題から、都市部ではあまり街の中に保育園等を作らない、といったことが多いんですけど、栗原市は逆で、栗原市は今どうしても高齢化が進んでいるので、市民に元気を与えるためにも是非、まちの中に保育園を作りたいと発信し、実現しました。やはり、子供達の声は元気を与えてくれますしね。

近くのおじいさんに「うるさくないですか?」と聞いたところ、「かえって子供の声があったほうが元気が出る」と言ってくださり、そういった部分も栗原市のいい所だと思っています。
こういったことから、子供たちが将来、「帰ってきたい」と思えるようなまちであればいいですね。

ーやはり市長の考えや経験からは、”栗原のために”や”市民のために”、といった考えが強いんでしょうか。

佐藤市長:

そうですね。元々ずっと役場の職員として生活していたので、市民のためにといった考えや、市民からたくさん話を聞くということを大切にしています。話を聞かないとわからない、といったこともありますしね。それを政策に反映できるところは反映していく。といったところが一つの軸ですね。

市長の公約の中で、ご近所助け合い支援金によって、隣近所の付き合いを復活させるというものがあります。
そうすると、震災の時等に隣近所が助け合える。そういうことを目指しています。
もともとそういった活動の支援金はありましたが、もっと細かい部分も後押ししますよ、といったことを始めています。

選挙に落選していた時に地域を回り、お話できる方とは色々なお話をしたり、自分の目で沢山の物を見たりした中で、今まで見えてこなかった細かい部分も見えるようになりました。それを受けて立てた4月からの予算で面白いものが、「草刈り支援事業」と言ったものがあるんです。栗原は田んぼが多いので、夏になると田んぼの境の草刈りを3回ほどしなければいけないんです。もう80歳近いおじいさんが草刈りをしているんです。自分の生活を守るためとはいえ、なにかお手伝いできないかな、といった考えのもと、こういった施策を作りました。
小さいことなんですけど、なにか政策にできないかとか、地元に密着した、市民が困っている時に手助けできないか、といったことを考え、活かしながら進めていきたいなと思っています。

< 伝えたい事 >

ー全国の若者に伝えたいことはありますか。

佐藤市長:

ヒトを思いやる気持ちを常に持ってほしいなと思います。
人と関わることによって、いろんな仕事に繋がったりすると私は思います。
モノに溢れた生活になってきて便利になったかもしれないですが、最終的に人は人と関わって生きていくんです。いわゆる友情とかそういったものを常に持ってほしいなと思います。

(インタビュー:2022-02-01)

プロフィール

■生年月日 昭和32年3月8日
■略歴
1975年(昭和50年)4月:築館町採用
2007年(平成19年)4月:栗原市企画部行政管理課長
2008年(平成20年)4月:栗原市総務部人事課長
2010年(平成22年)4月:栗原市総務部財政課長
2011年(平成23年)6月:栗原市総務部次長兼財政課長
2012年(平成24年)4月:栗原市教育部長
2014年(平成26年)4月:栗原市総務部長
2015年(平成27年)1月:栗原市副市長
2021年(令和3年)5月:栗原市長 就任

※プロフィールはインタビュー時のものです。
佐藤市長とのインタビューの様子
2022年2月1日 栗原市役所にて
(右:佐藤市長 左:ドットジェイピースタッフ)

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