ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.053 [国会議員] 嶋田 ちやこ 参議院議員 「流れ星のつかみ方」

参議院議員

民主党 嶋田 ちやこ
政党 民主党
選挙区 埼玉県
初当選年 2004年
当選回数 1回(参議院選1回)
公式サイト
YAHOO!みんなの政治

 

本日はよろしくお願いします。島田議員はニュースキャスター、歯科医と華々しい経歴をお持ちですが、そこから政治家を志したきっかけを教えてください。


もともとニュースキャスターになりたかったわけではないんですよ。小さいころからずっとお医者さんになりたいと思っていました。学生の頃もずっとそういう思いを抱いていました。ただ、まだ何もわからない若い時分だったので、医学の道を志すには迷いがありました。家族からの後押しもプレッシャーに感じられて、結局家族に反抗するかたちで女子大に入学しました。大学では小学校の先生になりたいなと考えた時期もあったんですが、医学部の友達の白衣を借りて鏡の前に立つ機会がありました。そうするとやっぱり憧れちゃうんですよね。そんなもんもんとした思いをもちながら、大学を卒業後、NHKでニュースを読む機会をいただきました。(医者になりたいという思いを)やっぱり捨てられなかったんでしょうね。ニュースを読ませていただきながら、医療に関する取材をしたいな、なんて考えていました。そして決意の末、25歳の時に大学の歯学部に入学しました。
政治への関心は、ニュースキャスターとしてニュースを読んでいる頃から心の奥底でふつふつと抱いていました。やはり、国の動きがわかっていなければ、話についていけない。ニュースキャスターとして必要に迫られて勉強したんですが、医療に関心を持つ一方で、政治の世界にもぐいぐいと興味を引っ張られていきました。ただその時は誰かがやってくれるだろうという期待をもっていました。結婚して子供が生まれて、子育てをしていく中でしょうか。その思いが爆発したのは(笑)誰かに任せていては何も変わらないな、と。次の世代の子供たちが、生まれながらにして借金を背負う今の世の中はおかしいと思いました。この子達が生まれてきてよかったと思える日本にしなきゃいけないんだと思いました。ちょうどそういった思いを抱いていたときに民主党の公募のお話を知ったので、応募するに至りました。



2ヵ月前まで選挙で戦われていたわけですが、選挙活動中に印象に残っているエピソードを教えていただけますか?


印象に残っているエピソードですか・・・やっぱり事務所荒らしですか?(笑)事務所に泥棒に入られたんです。全国ニュースでも取り上げられたんですよ。もちろん被害総額は相当なものだったんですけど、スタッフに何の被害もなかったことに一番ホッとしました。やっぱり自分のスタッフは宝物なので。自分では動揺するのかなと思っていたんですが、しないですね、実際。みんなが無事ならいいや!って(笑)。



当選前と当選後ではどういった心境の変化がありましたか?


当選の実感が全然なかったんですよ。支持してくれた皆さんに当選の御礼で県内をまわっているときにも選挙が続いているような気持ちがして。休んだら負けちゃうよーって(笑)。ただ、8月の始めに開かれた臨時国会に出席したとき、改めて80万あまりの票の重みを実感しました。ああ、また新たな戦いが始まったなって。



議員としての活動は6年間あります。その中で実現させていきたいことは何ですか? (マニフェストとしては、子育て支援の充実女性・高齢者の雇用環境整備小児救急医療体制の整備が挙げられています。)


議員である自分の最大の柱は、医療すなわち命に関わることなんです。人の命に関わることについては、決して妥協したくはないんです。その環境を整備していくことも大切ですし、人の命に関わる人をしっかり育てていくということも大切です。人の命はものをあつかっているのとは違いますから、その質を下げるということは絶対にあってはいけません。少子化の進展に伴い、小児科医が不足しているという事実からも人の命を取り巻く環境は決して満足な現状にあるとは言えません。自分が議員である6年間の間に、いろんな方向からこの問題に対して改善を働きかけていきたいと考えています。



2人のお子さんには政治家という職業をどのように説明されているんですか?


子供とは交換日記をつけているんです。私が仕事に行く前に書いて、子供たちは家に帰ってきてから読みます。その日の仕事の内容をわかりやすく子供たちに説明するんです。子供に説明できるような、正しい仕事をしていきたいなと思っています。自分の子供にも言えないような仕事はしたくないですから。
また自分の子供にだけではなくて、今の若い人たちにも自分がどんな仕事をやっているのかをもっと伝えていきたいなと考えています。今の若い人たちが政治に興味をもてないというのは、議員が何をやっているかわからないというところに原因があるのだと思います。マスコミを通じて取り上げられるのは、悪いことをしている議員の姿ばかりなので、議員はこういう仕事をしているんだということを自らで示していければいいと思います。



最後に、若者に対するメッセージをお願いします。


チャレンジするのに、いつ、どこがスタートであっても構わないと思います。自分がいろんな生き方をしてきたので言えるんですが、生き方は1つではないのだと思います。チャンスを流れ星に例えるなら、流れ星が流れていくのをただ黙ってみているのではよくありません。必ずそれを自分の手でつかんでください。
またどんな仕事に就いたとしても、その仕事をするために生まれてきたわけではありません。その仕事を通して自分自身を成長させるためにその仕事に就いたんだという考えが根底にあれば、もしリストラにあったとしても、新しい仕事に就きたいと考えるときにも、それが前に踏み出すための大きな指針になります。変化を前にして、恐怖心から躊躇してしまうのではなく、挑戦して自分の成長につなげる。
1つの仕事を全うすることもすばらしいことではあるけれども、何かチャンスがあれば違うことにも挑戦するといったことも重要なことだと思います。このことが、これから多様な生き方をしていかなければならない若い人達への1つのメッセージになればと思います。



編集後記


島田議員はとても気さく、かつ温和な方でインタビューは終始和やかなムードに包まれていました。
民主党のマドンナと呼ばれる島田議員には、目を合わせるのもどきどきしてしまいました(笑)。



(インタビュー:2004-09)


1962.9.27 福岡県に生まれる。
1983 佐賀女子短期大学卒業、NHK福岡放送局ニュース番組担当(アシスタント) 1994 明海大学歯学部卒業(坂戸市)歯科医師免許取得
1996 川越に嶋田歯科医院開設
2003 民主党埼玉県参議院選挙区第3総支部長
2004 第20回参議院通常選挙にて初当選。
※プロフィールはインタビュー時のものです。


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