ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.072 [国会議員] 穀田 恵二 衆議院議員 「一番大事なのは国民が主人公だという考え方」

衆議院議員

共産党 穀田 恵二
政党 共産党
選挙区 近畿ブロック
初当選年 1993年
当選回数 5回(衆議院5回)
公式サイト
YAHOO!みんなの政治

 

ご自身のホームページやYahoo!みんなの政治を大変多く活用していらっしゃいますが、その理由を教えてください。


インターネット自体が、メッセージを直接出せるということ、素早く出せるということ、双方向、ある意味では距離を気にせず、それから費用もかからないということが、あるんじゃないでしょうか。国民からのメッセージを直接受け取る、訴えることができるメディアだから、私は大切にしたいと思っています。



利用をしていて、何か反応があったことはありますか。


移動中に考えますね。他愛もない内容もいっぱいあります。本当に日記みたいに書いています。自分っていう人間を知ってもらうことも大事なので、ありのままを書いていますね。



利用していて、よかった点はありますか。


結構、Yahoo!みんなの政治を見ていても、色んな人が意見を言っているじゃないですか。これがとても大事なことだと思っています。また、直接評価が来るというのが、面白いと思いますね。何かを通さずに、直接意見交換できて、それがどんなふうに思われているのか、ということがわかることがいいですね。



Yahoo!みんなの政治上に活動内容、メッセージを載せることで、何か良いことや嬉しいこと、メリットがあれば教えてください。


やはり、トップページに掲載されることが嬉しいですね。トップページからリンクをされると、自分のホームページへのアクセスがぐっと増えるじゃないですか。そういう連携には、目を見張るものがありますね。



具体的に意見をもらって、取り入れたことはありますか。


経済対策だとか、現場の声だとか、「そんなんじゃない、もっと酷い」だとか、直接の声として学ばされるというか。「なるほどな」という視点を与えられるということがありますね。直接声をいただけることによって、政策や活動に反映していけることがあります。メールをいただいたことをきっかけに、調査して質問をしたり、ご一緒に運動を進め難病医療費助成などの要求を実現したこともあります。



ネット選挙について、どのようにお考えですか。


ネット選挙は今まだ、選挙期間中はどうなるのか、ということが非常に制限がある。事実上されている。もちろん、自主規制しているわけではなくて、総務省が、選挙期間中の自分たちの選挙に関わる活動や、報道というのはだめだという考え方を示しているわけですね。僕はそれは、間違っていると思うんですね。ネットでやっておられる方、っていうのが実際不便を感じているわけですね。つまり、肝心なときに閉ざされるという。
また、ネットでの選挙活動だけでなくて、選挙活動自体が、本番になると閉ざされるという問題があると思うんです。というのは、規制だらけの選挙なわけですね。そういう意味で、選挙活動自体に色々な制限があることを、知らせていただきたいなあと思います。



ネット選挙があまり進まない根底には、「使いこなせない人」の存在があるからだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。


使いこなせない方は、いると思います。ネットは、自分の考え方を発信したり、受け取ったりするということを広くやるということであって、その条 件を広くするということに対して、皆で取り組めばいいわけですよね。ネットができるかできないかじゃなくて、できる人がいるんだったら、自由にしようと。 それでまた、自由にすることによって、皆が参加するようになるわけで。今、国民一人あたり、何台くらいパソコンを持っているのかなあ。携帯も含めたら、圧倒的ですよね。だから、アクセス自由なわけです。だから、そういうアクセス自由なところに対して、どう取り組むかということが大事で、規制をすることは、「情報公開」「誰もが自由にアクセス」の時代の流れに反していて、間違っていると思いますけどね。



「21世紀の政治を国民の手に」をモットーに活動していらっしゃいますが、これを実現するために今必要だと思われることは何でしょうか。


ネットとの関係で考えれば、ネットというのは、ある意味で、フラットなメディアですね。上下関係もないし。使いやすく便利になるということで、私は、政治を国民の手に広げてくれるものだと期待しています。「政治を国民の手に」というのは、政治参加ですよね、一番大事なのは。言葉を変えれば、国民 が主人公だという考え方ですから、その意味で言いますと、メディアとしてもっと使いやすく便利になるインターネットをもって、政治的条件を広げると。ネットと私の政治信条の関係でいえば、そういうことになりますね。



今特に力を入れて取り組んでいる政策について教えてください。


1つ目は、「若者使い捨て」と言われている、派遣労働のやり方を改めること。人間らしい働き方のルール作りをすることを掲げています。金融不況の影響を口実に、既に大手の企業 が、派遣社員の首切りを行ったりしています。こういうときこそ逆に、正規社員にすることで、雇用を安定し、内需を拡大していくと。もちろん、大手の企業にとって少しばかりの痛みを伴うこ ともあるかと思います。しかし、そのことが、将来に渡って、内需を拡大していく基盤になると思います。
2つ目は、後期高齢者医療制度を廃止して、社会保障制度を充実させることです。これも、内需の拡大に繋がるわけです。社会保障が安定していないと、不安がありますね。ここを充実させることによって、安心して消費ができると。経済の仕組みで言いますと、個人消費が一番大きいんですね。この エンジンが上手くまわることが非常に重要なんですね。家計を暖めるという作戦が非常に大事だと思っています。
3つ目は、ものづくりの街を支援することが必要だと考えています。ものを作るということは、「実業」の社会だというわけですね。今、問題になっているのは、投機マネーの暴走による「バクチ資本主義」「カジノ資本主義」の破綻です。投機マネーを「虚業」と呼んでいるんですね。「実業」と「虚業」の割合は、1:3で、実際のものづくりの世界よりも、大きく なっているんですね。そこを正す必要があると思います。額に汗してものを作っているということを大事にして、中小企業を支援すると。合わせて、私は、農業 に関しても注目しなければいけないと考えています。自給率は39%ですよね。6割以上を外国に頼っている。米について考えてみれば、農家の方は、減反で減 らされている。減反しておいて、外国から米を買うなんて、だめじゃないですか。世界が食糧難になっていて、食糧を作れる国が作らないということは、世界の飢餓に対 して、まともな貢献をしないということになるじゃないですよね。ですから、日本で、安全な食糧を作るだけではなくて、食糧を生産することができるんだった ら、たくさん作ることによって、飢餓を無くすことに貢献したいと思っているんですけど。



10年後の日本、10年後どういった活動をしていきたいとお考えですか。


もっとよくなっていてほしいですね。10年前を考えてみれば、金融パニックが日本を襲った、というのがありましたけど。今、それ以後との関係でいうと、新自由主義が破綻をしていて、資本主義が限界だということまで言われている時代ですね。少なくとも今問題になっている、環境、投機、飢餓、不況を解決 できるような社会をつくりたいですね。地球環境に取り組むという世界的な活動、日本がそこに関わること、新自由主義が破綻していますから、経済の民主的 なルールが作られる社会、日本が食料自給率を高め飢餓をなくすために貢献できる、そういう社会になっていればなと。
日本で言うなら、日本国憲法が花開く、憲法が暮らしと平和に生きる時代にしたいと考えます。



趣味を教えてください。


サッカー、ラグビーの観戦が好きですね。テレビで見るだけでなくて、スタジアムに足を運ぶのが好きですね。京都の伏見工業だとか、ラグビーが強いですよね。それが花園ラグビー場に行くときは、なるべく行くようにしていますけどね。それが楽しみですね。
それと、映画を見るのも趣味ですね。インディ・ジョーンズとか冒険活劇も楽しいですね。かといって、黒澤監督の『七人の侍』も好きですね。スポーツって、人間の能力の発揮という点で、面白いですね。ライスボウルといって、社会人と大学生のアメリカンフットボールチャンピオンが試合をする大会があるのですが、そこに母校の立命館大学が出場するときは、必ず行きます。関西でその出場を決める大会にも、行くようにしています。他のチームが出るときは、テレビで見てるだけですけどね。立命館大学が2回チャンピオンになったときは、2回とも見ていますね。



休日の過ごし方を教えてください。


休みはあまりないんですね。でも、京都の仁和寺の裏にある、御室八十八箇所を歩きたいと思っています。仁和寺って、国宝もあれば、重要文化財もあるじゃないですか。そこで子供たちが遊んでるじゃないですか。国宝とか重要文化財、確かに立派だとは思うけれど、そういう中に子供たちがいる風景っていうのは、大切だと思うんですね。また、山があり、四季折々の楽しみがあるので、いいなあと思いますね。だから、好きなんですけどね。



学生に向けて、メッセージをください。


1つ目は、色んなことを疑問に思うこと、これ本当かなと思って確かめてみること。例えば有給休暇ってありますよね。取得する際に理由を示す必要は無いと法律で定められています。しかし、そのようには運用されていない現状があります。
2つ目は、「自己責任」という呪縛を解き放て、ということですね。
3つ目は、「連帯」という使い古された言葉かもしれないけれど、皆で考えて皆で進めようという、社会的連帯が必要なんじゃないかなと思いますね。今、正規雇用と非正規雇用の人の間に分断がありますよね。分断ではなく、お互い連帯して、何とかして乗り切ろうということが必要だと思います。



(インタビュー:2008-11-05)


衆議院議員5期。
予算委員会、地方行政委員会、倫理選挙特別委員会の各理事などを歴任。
現在、国土交通委員、党国会対策委員長、常任幹部会委員、伝統的工芸品産業振興対策委員会責任者。
65年、末川博立命館総長の平和と民主主義の教えにあこがれ、立命館大学入学。
69年、立命館大学職員。
87年、京都市議会議員に当選。93年、旧京都1区で衆議院議員にトップ当選。
災害対策特別委員として阪神大震災救援などに奮闘。
96年、2000年、2003年、2005年 衆議院議員再選(比例近畿ブロック)。
「21世紀の政治を国民の手に」をモットーに党国会対策委員長として奮闘中。
※プロフィールはインタビュー時のものです。


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