ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.113 [首長] 小泉 一成 成田市長 「組織の中で積極的に活動して「行動力」「決断力」「責任感」を!」

市長

成田市長 小泉 一成
所属 成田市長
選挙区 千葉県成田市

 

市長になろうと思ったきっかけを教えてください。


これは簡単で2つあります。ひとつ目は若い頃に成田の国際文化会館に松山千春さんがコンサートにいらしたことがありまして、その時に私も見に行きました。松山千春さんは歌よりも喋りが多いのですが、その時に観客に向かって「お前らは食うのに困っていないだろう?世界には明日の飯を心配しているひとがたくさんいるんだ。食うのに困っていないなら少しでも社会のためになる活動をやってみろ」と仰っていたことに大変納得したことです。

もうひとつは、私が好きでよく読んでいる司馬遼太郎の本の中で「人間を評価する基準はただひとつである。その評価はいかに公共の為に働いたかである」という内容がありました。この二つを考えた時に、一番ダイレクトに世の中の為に働けるのが議員であり、政治の世界だと思って議員になろうと思いたちました。



議員になるまでにしていたことで今に繋がっていることはありますか?


私は小学生の頃から生徒会や応援団をやっていて、様々な友達がいました。いまでも小学校の友達や中学校の友達とは繋がりがありますので、それも今に繋がっていると言えば繋がっていると言えます。

また、議員になる前には青年会議所で活動をしていたのですが、青年「会議所」というくらいなので会議の進め方についてはしっかりと身体にしみ込ませることができました。自分の意見を説明して理解してもらって賛同を得るという力ですね。理事会という、意思決定を行うところでは、目的等はもちろん文言などもしつこく質問されるのですが、あれは訓練になっていて、今でも議会へ自分の意見を説明する時に役に立っています。



政治家にとって大切なことはなんですか?それはどのようにすれば身に付けることができますか?


大切なことは「行動力」、「責任感」と「決断力」だと思っています。行動力は自分の好きな仕事に就けばすぐにでも身に付くと思います。自分の好きなことであれば何をやっても苦になりませんから、どんどん動けるはずです。
責任感と決断力はいろいろな経験をすることによって身に付くものではないかと思っています。特に組織の中で活動することによって、自分だけではなく部下や仲間が居ることで責任感や決断力はおのずと身についてくるはずです。私の場合は青年会議所活動や地域のお祭りなどに参加を通してそのような力が身についてきたと感じています。

このような力は机の上で身につく力ではないので、若い皆さんには地域の活動やNPO活動等に積極的に取り組んでほしいと思います。



成田市の魅力を教えてください。


まず、成田市の最大の魅力として1000年以上の歴史のある成田山というお寺がありまして、お正月の三日間だけでも300万人の参拝者に訪れて頂いておりますし、年間でも約1000万人の方に訪れて頂いております。

他にも近未来の国際空港、巨大ショッピングモールもそれぞれ年間1000万人以上の集客をする施設です。このような施設が市内に3つもある市は全国でも稀だと思っています。そのため昼間人口比率は日本一ではないでしょうか。

1000年以上の歴史と国際空港があることによって、成田市は世界と一番繋がっている市だと思います。最近では格安航空会社が成田を拠点にし、日本全国とも繋がっています。そのことからも世界で「千葉」と言っても通じないと思いますが、「成田」は通じると思っています。そういった市の運営は、やはりやりがいがあります。



成田市の今後のビジョンと施策を教えていただけますか?


「住んでよし、働いてよし、訪れてよし」の成田で生まれ成田で生涯を完結できる、空の港町を目指してまちづくりに取り組んでいます。

現在、政策を行う上で最も課題になっているのは少子化だと思っています。年金の問題についても社会保障の問題についても、根本的な問題は制度云々ではなくて人口減少です。ではどうしたらいいのか?と言う問題になりますが、私は国会議員ではなく成田市長なので、せめて成田では人口を増やしていこうということで子育て支援の施策に力を入れております。

その例としては、千葉県の中ではいち早く子宮頸癌ワクチンの助成などに取り組みました。また、こどもへの医療費補助についても私が市長に就任する前までは6年生までだったものを中学3年生までに引き上げましたので、中学3年生までは一回200円で病院に掛かることができます。子育ては一番重要な社会貢献だと思っていまして、その為に市として施策を行っているところです。

また教育に関しても小学1年生から英語教育を行い、県内では一番ALTの先生がいると思いますし、エアコンの整備も充実させています。また人数の少ない学校で複式学級にならないように、市で教員を雇うなど力を入れています。

今までの高度経済成長の時には立派なホールや道路や橋などのハードの面が重視されてきたところがあると思うのですが、低成長時代に入って、こういったソフト面の政策が重視されるようになりつつあると意識しながらやっています。



若者のまちづくりへの参画の施策はありますか?


市がもうひとつ力をいれていることに、ドラマや映画やCMの撮影を誘致する、というものがあります。吉本興業のご当地映画や最近放映中のドラマの撮影等の際には地域の若者が撮影の協力のため何日間も朝早くから夜の遅くまで活動してくれています。また、成田山の参道や空港を舞台にしたロケが行われることによって、他の番組等でも取り上げられる相乗効果が感じられています。

彼らは坂本龍馬の海援隊の海を空に変えて「空援隊」と言って活動しているのですが、そのようなロケに地域の若者が協力することによって、若者のなかで一体感が生まれてきていて「もっとこうしていったらいいのではないか」というまちづくりへの盛り上がり等も感じています。



若者へのメッセージをお願いいたします


「政治」と言うものは身近には感じないかも知れませんが、大変大切なものです。自分たちの生活と政治というものは結びついていないように感じるかもしれませんが、実際は密接に関係があるということを感じて欲しいと思います。正直な所を言うと、政治家は投票率の高い年代の言うことに耳を傾ける傾向があります。どうしても政治家は選挙の洗礼をうける職業ですから、そうならざるを得ない面もあります。ですから、「もっとこういう地域にして欲しい!もっとこうしたい!自分たちの要望を聞いて欲しい!」という思いをかたちにするためには、選挙に行って投票するということが重要です。

また、明治維新に見られたように、若い世代が日本を変えてきた歴史があるので、若い世代の人達が地域を支え、国を支えていって良いものに変えていって欲しいと思っています。その一歩としてまちづくりに参加して欲しいです。そこには必ず得るものあると思います。



(インタビュー:2013-01-25)


昭和54年  3月  日本大学法学部卒業
平成  6年  1月  成田青年会議所理事長
平成  7年  4月  成田市議会議員 (2期)
平成19年  1月  成田市長
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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