ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.119 [首長] 吉田 雄人 横須賀市長 「自分自身の将来のため、自分の投票権というものの大切さを自覚してください。」

市長

横須賀市長 吉田 雄人
所属 横須賀市長
選挙区 神奈川県横須賀市
公式サイト

 

政治家(前職市議会議員)になられたきっかけを教えてください。


コンサルティング会社であるアクセンチュアを退職後、政治をもっと勉強してみようという思いから、大学院に戻りました。そこで大学院で同輩だった市議会議員による「現場に出てみてはどうか」という一言が、私の立候補を決めるきっかけとなりました。

高校時代から「政治とは世の中を動かすものだ」と思っていて、その当時は総理大臣になりたいと言っていました。大学では多くの政治家を輩出している早稲田大学の雄弁会に所属しました。
しかしながら、雄弁会OBの選挙の手伝いや政治家のパーティーに足を運ぶ機会が多くありましたが、今思えば政治の一面しか見ていなかったわけですが、「連呼」や「握手」ばかりで、これでは世の中は変えられないと感じました。
そのような思いから今度は文学で世の中を変えようと、一時は芥川賞作家を目指したこともありました(笑)。ただ、現実に立ち返って、官公庁のコンサルティングのシェアを最も多く持つアクセンチュアに入社し、やはりここでも、世の中を少しでも変えたいと思っていました。

ですがここで法的な規制などにより実現できないことの多さ実感し、これらを定めている政治の影響力を思い知りました。「世の中を変えていく」には「政治」が不可欠なのだと思うようになったのです。



市長になられたきっかけを教えて下さい。


市長になる前は市議会議員をやっていました。とてもやりがいのある仕事をやらせて頂いていましたが、実は大きなハコモノ事業が出てきてしまったのです。市民の文化活動に寄与するとは思えないそのハコモノ建設に対し署名活動を行ったのですが、最終的には建設されてしまいました。

これをきっかけに、本当に市民のためになる政治にとっていかに予算の編成権を手にすることが重要かということを認識し、市長になることを決意いたしました。対立候補は現職の市長でしたから大変でした。横須賀市では36年間ずっと中央省庁出身の方が市長になるという風潮が続いていました。私はこの流れを変えなければならないと思いましたし、予算の編成権という面でも、横須賀を変えるには自分しかいない、自分が市長になる、その思いを確たるものとしました。



市長としてのやりがいを感じるのはどういった時ですか?


市民のためのまちづくりを行うにあたり、ものごとを判断して決めているな、と感じる瞬間があります。これがやりがいです。何とかしなければならない政治的課題に直面し、自ら現場に足を運び、日々の話し合いでの細かな決定が、大きな変化へと繋がる瞬間があるのです。自分が決めてきたことがまちの変化に繋がっている、横須賀のためになっている、この思いが私のやりがいですね。



若者の政治離れについてどうお考えですか?


投票率は年代に比例しています。どうしても政治家は、投票に多くきてくれる世代向けの施策の方を向きがちになってしまいます。子育て世代への政策を考えなければならないけれども、その世代が投票に行かないと、やはり選挙へ行く人向けの政策に偏重しがちなのです。自分はそうあってはならないと思っています。

また、若者の政治離れは問題だと思っています。しかしながら若い人に投票に行けと言うのではなく、意識を変えなければならないと考えています。たとえ雪の降る日でもこの一票をいれなければないという意識をもたなければなりません。
問題は、普段の活動を見て、あの人に投票したいと思わせる政治家がいない、これに尽きると思います。私は市議会議員の立場で1200日以上の街頭活動を行いました。有権者に投票に来てくださいと言うのではなく、投票したいと思わせる、これが重要だと思います。



若者にアドバイスを頂けますか?


ご年配の方の話を聞いた方が良いのではないか、そう思います。よく30代で社長になりました、起業しました、私のように市長になりました、というような人が表に出がちですが、彼らでさえまだ途上です。私自身もただただ走り続けているという状況です。ですから、人生をトータルで見て振り返ることのできるご年配の方々の話を聞くべきではないか、と思っているのです。

例えば私のことを参考にして、自分もこうやろう、などとはあまり思わないでほしいと思っています。なぜなら私の答えがあっているかどうかは今私にも分からないからです。これから年を重ねて、人生を総括できた時に初めて、あの時に走り続けたのは正しかったな、と回顧できると思っています。なので、人生の分かれ道では年と経験を重ねたご年配の方に相談した方が良いのでは、と思います。



(インタビュー:2013-01-28)


平成11年    早稲田大学政治経済学部政治学科卒業
同       年    イギリス・ロンドンに短期語学留学(約3ヶ月)
平成14年    アクセンチュア株式会社 退社(大学院入学)
平成15年    横須賀市議会議員に初当選
平成16年    早稲田大学 大学院 政治学修士(地方自治行政)卒業
平成19年    横須賀市議会議員に再選
平成21年    7月 第35代横須賀市長に就任
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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