ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.129 [首長] 小島 進 深谷市長 「反省はしても後悔はするな。」

市長

深谷市長 小島 進
所属 深谷市長
選挙区 埼玉県深谷市

 

政治の道に進んだ理由を教えてください。


最初は政治家になるつもりはありませんでした。しかし、自治会に参加した際、政治が年配者のためだけのものになっているように思いました。

そんな状況を打破すべく、若い世代が立ち上がって、政治に若者の声を反映させなくてはと思い、同年代の地元の人間を若者の代弁者として推しました。
しかし、逆に推薦されてしまって、最初はなにも知らないまま、政治家になりました。



政治の道に入ってから勉強されたのですか?


そうですね。学校に通っているときは、あまのじゃくで「なんで勉強しなくてはいけないの?」と聞く子供でした。親や先生から言われるままに勉強するのでは意味がないと考え、あまり熱心に勉強しなかったのですが、政治家になり、自分を推してくれた仲間に恥をかかせられないので、必死に勉強しました。

市議会、県議会とやらせていただく中で、今は、自分の人生を政治に捧げようと本気で思い勉強しています。



今の若者に対してどう思いますか?


今の若い世代は多種多様な価値観を持っているように感じます。選挙活動の時、駅でビラ配っていても、積極的に挨拶をしてくれるのは若い人でした。政治家に立候補したから、という先入観をもった見方ではなく、人間対人間として、素直な気持ちで感じ良く接してくれました。若い人には、期待しています。



地域のためにしている事を教えてください。


その場限りの市政ではなく、20~30年後を意識しています。 長期的な戦略として、企業誘致などを考えたりもしています。また夜には、深谷市の自治会をまわり、積極的に意見交換会をしています。

今政治に求められているものは、説明責任です。「現在の深谷市がこういう状況なので、こうしたい。」という行政の考えをいかに市民に分かってもらうか、が重要です。

例えば、補助金の見直し、公共施設の利用料金の見直しなどです。常に、サイレントマジョリティーを意識して説明していきたいと思っています。

また昨年は、全国ねぎサミット、全国はなのまちづくり大会など開催し、市民に楽しんでもらい、全国に発信できるイベントを仕掛けています。



やりがいを感じる瞬間は?


「深谷っていいよね」、「深谷っておもしろい場所だよね」という声を頂いたときです。
補助金の見直しなど、市民にとっては短期的に見るとマイナスの政策などもあるなかで、市民から、「市長のやっていることは間違ってない頑張れ!」と応援してもらったときは、勇気をもらいます。
やはり、深谷市のためにやっていることなので、市民からの激励の声をもらうと、やりがいを感じます。



市長選の時のことを教えてください。


家族からの反対がありました。市長になるということは、言い方は悪いですが、火中の栗を拾いに行くようなものであると思われたのでしょう。
これから税収は下がり、まともに市政運営を行ったとしても必ず批判はあると想定できるのですが、そんな状況でも市長になろうとする理由を家族から問われました。

そういった状況の中で、自分の人生としっかり向き合おうと思い、立候補の決断をする前にひとり旅に行きました。生まれてから、今までをさかのぼって旅をしました。
そこで思ったのは、ここまで来れたのも、みんな人のおかげ。お世話になった1人1人の顔を思い浮かべました。そして、あの人達のために市長になり、深谷市を良くしようと思いました。そして、選挙に勝っても負けても、すべての責任を背負う決心をすることができました。



ふっかちゃん人気ですよね。


ゆるきゃらグランプリ2012で全国5位になりました。twitterやFacebook、ブログを連動させPRしています。

まずは子供に愛されるために、小中学校を回りました。市内の事業者は、申請さえもらえれば無料で権利を使えます。
公正さを意識して、申請の早いもの勝ちです。そういったルールなので、100名集まるイベントより、保育園に行っていたりもします。
また、ふっかちゃん基金を作り深谷市の障害を持つ方々のために資金を送る仕組みも作りました。既存の行政のサービスでは直接届かない部分もありますので、そういった部分を手助けするために作りました。



市長の若いときのお話をお聞かせ下さい。


ガキ大将でやんちゃ、ひねくれていましたが、友達だけは大切にしていました。学生時代は、その場だけ楽しれば良い、という価値観で動いていました。

高校卒業後は、住み込みで働きました。
20代前半は、いい暮らしがしたいと思い、他の人より何倍も働きました。その甲斐あって、勤め先の事業を拡大させることにも成功し、お金を持つこともできました。しかし、いくら稼いでも、上には上がいることに気付きました。当時は今思うと、派手な生活をしていたと思いますが、満足感、達成感がありませんでした。まるで何かに追われている気がしていたように思います。
自分の人生これでいいのか考えました。その時は20代の後半でした。

これからの生き方を考えるため、自分はどんな時楽しみを感じるのか考えてみました。すると、「お祭り好きな自分」がいました。
神輿など、地域の行事に関して中心になって活動していたのですが、そういった、お金も時間も、体力も使って何の見返りもない活動をなぜ行っているのかと考えてみたのです。
すると、若い人とお祭りをやる中で、年下の若者や子供達から「楽しかった」という言葉をかけてもらえる時に、今までに感じた事がないない満足感を得る事ができ、そういった誰かのために行う活動が、自分の原動力だと気づきました。
自分中心の祭りではなく、周りの人、他人のために行う祭り。これが、自分の満足することができる価値観の形だと気づいたのです。



最後に、若者にメッセージをお願いします。


「反省はしても、後悔はするな。」
私は市長選に出る際に、後悔はしたくないと思いました。負けたら、後悔すると思うのですが、負けるのを怖がってやらない方がもっと後悔すると思いました。好きな子に告白できなくて、後に後悔するのは嫌ですよね。それと全く同じことだと思うのです。

チャレンジする事は、人生の糧になります。
私も反省は毎日していますが、後悔はしていません。若い人にもそういう風に生きて欲しいと思います。



(インタビュー:2013-01-08)


埼玉県深谷市出身。
深谷市立深谷小学校、深谷中学校、埼玉県立本庄高等学校卒。
高校卒業後に神田屋商店に入社。
1996年  深谷議会議員当選。
2007年  埼玉県議会議員に民主党より立候補、当選。
2010年  深谷市長選挙に立候補、当選。
※プロフィールはインタビュー時のものです。



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