ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.160 [首長] 富岡 勝則 埼玉県朝霞市長 「『いつか夢を実現するんだ』という思いで頑張ってほしい!」

市長

埼玉県朝霞市長 富岡 勝則
選挙区 埼玉県朝霞市
公式ホームページ

 

市長になったきっかけを教えてください。


私は市長になる前は市議会議員、県議会議員を務めさせていただきました。また、それ以前は市の職員として約18年間奉職していました。ですから朝霞市にかける思いは誰にも負けないという気持ちがありましたし、そういう意味で市長を目指す精神的な基礎は既に持ち合わせていたと思います。
市長選出馬のきっかけは、県議会議員として当選させていただいてから2年目にやってきました。当時の市長が出馬を取りやめることを選挙の2ヶ月前に表明されたのです。すでに3期市長を務められていた方で、当然4期目も続けられると誰もが思っていたものですから、とても驚いたことを覚えています。それと同時に、県議会議員として1期も満了することなく市長選に出馬することについても非常に悩みました。しかし、最終的には後援者の方々からの出馬要請や朝霞市を良くしたいという自分の思いから、出馬を決意しました。



市役所時代に市議会議員選挙に出馬しようと思ったきっかけはなんですか?


実は、私は「絶対議員にはならないぞ」と自分に誓っていました(笑)。というのは、父と祖父が議員だったからです。同じ道を歩むのに抵抗があったのかもしれません。ですが、市の職員として行政に携わる中でいろいろな議員の方とお話しをするにつれ、その思いはいつしか「違った立場からまちづくりに関わりたい」という熱意に変わっていました。市政は市議会と行政の連携が肝要なのは当然ですが、市の施策は職員だけではできないものがたくさんありました。それが市議会議員を目指した直接のきっかけと言えるかもしれません。



市長になる前は市役所・市議会・県議会と様々な形で自治体に関わられていますが、それぞれの立場で見方が違ったこと、またはそれについて感じたことはありますか?


前提として、市役所と市議会そして市長は皆同じ「方向」を向いていなければなりません。しかし、役割の違いからそれぞれの市政に対する「見方」は大きく異なります。市の職員は施策を実施するのが仕事で、議員はそれらをチェックする立場にあります。もちろんお互いが協力し、市政を運営することがとても重要なのですが、議員としては正すべきところは正さなければなりません。ですから、市役所に勤めていた頃とは違った視点から施策を見るようになりました。
県議会議員の時は市政に対する見方というよりも、視野の広がりを強く感じました。市議会議員だったころは「朝霞市はこうだけど県はどうだろうか?」というように一部から全体を見つめていました。しかし、県議会議員時代には「県全体の中の朝霞市はどうだろうか?」という全体から一部を見る逆方向の捉え方ができるようになった上に、他の自治体との比較という全く新しいアプローチから市政を考えられるようにもなりました。



朝霞市の課題は何ですか?


埼玉県には全国で最も多い40の市があるのですが、県の面積としては広い方ではありません。なので、必然的に一つの市が小さくなってしまいます。そして、それらが県南部に集中しているのです。これはなぜかというと、それらの街が東京のベッドタウンとして発展してきたという経緯があるからです。そうした状況下ですと、都市間競争が激化します。朝霞市もそのうちの一つなので、どうやって多くの人に朝霞市に住んでいただくかが今後の一番の課題であると思います。特にこれからは人口が減少していきますので、いかに若い方々に朝霞市に住むことの魅力を感じてもらうかを考えながら施策を展開していかなければなりません。



朝霞市の魅力は何ですか?


朝霞市の魅力はなんといってもお祭りです。市長として私はこうしたお祭りを通して朝霞市の魅力を外部に発信していきたいですね。特に日本の四季をお祭りで感じてもらえるような、そういうまちづくりをしていきたいと考えています。
たとえば、春には市内にある黒目川のすばらしい桜を楽しむ「黒目川花まつり」、夏には朝霞市の目玉イベントである「朝霞市民まつり彩夏祭」、秋には芸術をテーマにした「朝霞アートマルシェ」、そして冬には商工会と連携しB級グルメをフィーチャーした「あさか産業フェア」、といった具合です。特に朝霞市民まつり彩夏祭は、今年でちょうど30回目を迎え、3日間で約68万人の方にご来場いただきとても盛り上がりました。



なぜ四季をお祭りで感じられるまちづくりを目指しているのですか?


先程もお話しさせていただいたとおり、朝霞市は住宅都市として発展してきました。その背景上、市税の中心は個人住民税が占めています。なので、これから高齢化が進んでいくにつれ、生産人口の皆様に朝霞市に住んでもらえないと市の財政は安定しません。この状況を打破するために、お祭りによって市の元気さを若い方々に感じてもらって、「朝霞市ってこんなにすばらしい街なんだ」「ぜひ朝霞市に住みたいな」というように思ってもらいたいですね。



市長という仕事に一番やりがいを感じる時はいつですか?


やはり自分の考えた政策を実現するために頑張っているときに、一番やりがいを感じます。朝霞市をもっと良くしたいという昔からの思いを、具体的な形として市民の皆様にお届けできたときの達成感はなかなか得がたいものです。しかし、それと同時に大きな責任があることも自覚しています。自分のちょっとした発言や決定が、政策の行方を左右してしまうので、しっかりと考えて物事を進めることを心がけています。



反対に、市長を務める中で大変なことはありますか?


一番大変なことは、「自分で決めなければいけない」ことです。市政において正解はありません。市民の皆様全員が恩恵を受けられる政策というものはごく稀なので、大小の差はあれ誰かには我慢をしてもらわなければならない場合もあります。そういう状況の中で、どのような政策を行うか、どの要望に耳を傾けるかなど最終的な判断を、他人に任せるのではなく自らが決断しなければならないというところに大きな責任を感じています。



若者へのメッセージをお願いします!


若者の皆さんにはぜひ夢を持ってほしいと思います。高度経済成長、そしてバブル崩壊後は、なんとなく夢のない時代になってしまい、若い人がやりたいことに取り組めない厳しい社会環境といえるでしょう。ですが、人間生きているといつかは大きな転機が来るものです。私の場合は市議会議員選挙に出馬したことがきっかけでした。その時期が来るまで、あるいはその時期を自ら引き寄せるために、「いつか夢を実現するんだ」という思いで頑張ってほしいですね。



(インタビュー:2013-10-18)


生年月日 昭和29年11月22日( 58歳 )
出身地 朝霞市溝沼
平成7年 朝霞市役所退庁
平成7年 朝霞市議会議員当選
平成11年 朝霞市議会議員2期目当選(途中、県議選に出馬)
平成15年 埼玉県議会議員当選(途中、市長選に出馬)
平成17年 朝霞市長就任
平成21年 朝霞市長2期目就任
平成25年 朝霞市長3期目就任
任期 平成25年3月17日~平成29年3月16日
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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