ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.161 [首長] 佐渡 斉 千葉県四街道市長 「若者は自由であってほしい」

市長

千葉県四街道市長 佐渡 斉
選挙区 千葉県四街道市
公式ホームページ

 

市長になったきっかけを教えてください。


市長になる前の県議会議員時代、私の支持者の皆様は四街道市に力点をおいた千葉県政を望まれていました。そのご要望にお応えするためには県議会議員ではなく市長として活動するべきであると考え、市長選に出馬し、いろんな方々のご協力のおかげで当選することができました。



市役所の職員の時はどんなお仕事をされていたのですか?


企画と財政に関わる仕事をしていました。当時、市町村は地方自治法によって長期的な市の整備計画、基本構想・計画を策定しなければならないと定められていました。昭和50年代の基本構想の作り方には、将来の人口推計と土地利用を参照し、オーバーフローする人口を処理するための土地開発の方向性を決定するという流れがありました。といっても単純な話ではなく、高齢化などの様々な要素を勘案しなくてはならないので、土地区画整理や開発行為など、スキームの選択など難しく、その分やりがいもある仕事でした。



県議会議員を志したきっかけはなんですか?


県議会議員を目指したのには2つ理由があります。市役所時代には四街道市のことばかり考えていたので、より広い範囲の行政に携わりたいと思ったのが一つ。もう一つは、20年前に私が関わった都市開発プロジェクトを、議員になって完成させなければならないと思ったからです。



実際に県議会議員になってみていかがでしたか?


やはり役割が変わると物事の見方も変わりますね。基本構想の立案には、それこそ企画係長としてかなり具体的に検討して立案したのですが、いざ議員の視点からそれをみると直したいところが見つかります。そこが行政の難しいところですね。



プロフィールを拝見させていただいたのですが、理事を務められているNPO法人ではどのような活動をされているのですか?


千葉ナショナルトレーニングセンターというNPO法人なのですが、四街道の武道館で小学生から社会人に至るまで護身術を教えるという活動をしています。実は前回のロンドンパラリンピックには四街道から3人の方が出場しました。彼らの壮行会や帰国報告会などもこのNPOが中心となって開催しました。



「市民力を活かす」というビジョンはどのようなきっかけで生まれたのですか?


市役所の職員であった頃、私は内部の仕事ばかりしていたので地元での知名度があまりありませんでした。なので、他の候補者の方々とは違い、後援会を作るところから選挙が始まったんです。その選挙の準備過程で本当にいろいろな方々と交流・議論をさせていただいて、四街道市の市民には知力・活力があふれていることを再確認しました。特に消防団や商工会青年部に所属する若者の皆様の発想力には感服しましたね。



今と市長が学生だった頃と比べて、若者についてお考えはありますか?


若者はいろいろなグループに分類できますが、学生と社会人に大別してお話します。まず学生に焦点を当てると、当時は地域に対して目を向ける人が中々いなかったような気がします。というのは学生運動がまだ盛んな頃だったので、国や体制に対して意見を持っている人が多かったからです。一方今は自分の住んでいる地域について考える若者が少数派ではあるかもしれませんが、増えていると思います。これはとてもよいことではないでしょうか?では社会人の皆さんはどうかというと、地方行政への関心という面ではあまり変化を感じることができません。というのは、社会人の皆様は今も昔も忙しく、夜間しか四街道市にいません。なので、興味を持つ/持たないというレベルで語ることはできないと私は思います。



産業面で今後は四街道市のまちづくりをどのように進めていこうとお考えですか?


四街道市は住宅都市なので、生産年齢人口の流入を活発にしないと、高齢化の流れも相まって衰退の一途を辿ってしまうことになります。そこで「子育て日本一」というマニフェストの下、仕事を持っている人をいかに呼び込むかという発想で進めていこうと考えています。これは今までの、雇用を産み出すことに注力したまちづくりとは一線を画すものです。なぜなら、工場を誘致し、雇用を創出したとしても、人件費の安い中国・韓国が競争優位に立ち、そうした分野の企業は結局衰退してしまうからです。そもそも、四街道市からは東京にすぐ出ることができるので、雇用や娯楽といった面では大変恵まれています。
また、外で自分の可能性を試したいと考える若い芽を摘みたくないとも思いますので、若者を縛り付けるようなこともしたくはありません。このようなことを考えた結果、工業施設の誘致という試みはやめようと決意しました。
四街道は地場産業である農業と商業そして物流に力を入れたいと思います。



若者へのメッセージをお願いします!


若者は自由であってほしいと思います。世界に羽ばたいて活躍する人がいても良いし、地域に関わって地道に貢献する人もすばらしい。自分の進みたいと思う道で精一杯頑張って活躍してください!



(インタビュー:2013-10-22)


生年月日 昭和28年9月25日
出身地 広島県竹原市
現住所 四街道市美しが丘
<略歴>
明治大学卒業
四街道市職員
四街道市社会福祉協議会事務局長
千葉県議会議員
保護司
NPO法人理事
四街道市長就任(任期:平成22年2月28日~平成26年2月27日)
【趣味】
ガーデニング・読書
※プロフィールはインタビュー時のものです。


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