ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.167 [首長] 豊田 稔 茨城県北茨城市長 「感謝と思いやり 今を一生懸命に生きろ」

市長

茨城県北茨城市長 豊田 稔
選挙区 茨城県北茨城市

 

政治を志したきっかけを教えていだだけますか?


直接的なきっかけは自分が経営者をしていた時に感じた不条理でした。その不条理は、政治の力でしか解決することはできないという想いから36歳の時に市議に立候補しました。私の場合は、父親が市長をしておりましたので、市長としての苦労や喜びを間近に感じることができたというのもあるかもしれません。父から直接そのような教育を受けたわけではありませんが、高校の時からすでに政治家になることを志していました。
市議から市長に立候補したのは、政治は弱い人にあるべきだと考えたからです。この考えは市議をしている時から感覚的に感じていたのですが、地域と弱い人に手を差し伸べる政治を実行することができる市長になろうと思ったのです。選挙の際には相手陣営が反対のことを主張していましたが、自分の主張を崩さず選挙を戦いました。



市長のやりがいをおしえてください。


夢を追い求めて、実行していけることです。
これは政治家としても、行政の長としても同じ思いです。夢に共感してもらってそれを一番実行していけるのが市長です。「おれ以外は北茨城良くすることはできない」という自信を持ちながら、周りの声に耳を傾けながら実行していく時にやりがいを感じます。もちろん、実現に向けては苦労もありますが、「自分がやらなければだれがやる」という想いで頑張ることができます。



市長の目指す理想の北茨城市を教えてください。


子供を育みやすい地域にしていきたいと考えています。市長に最初に立候補した当時は日本全体の経済も右肩上がりだったので10万人都市構想を公約としました。しかし、12年のブランクを経て市長をしている現在は少子高齢化社会です。今、地方に強く求められるのは特色ある地域のなかで、若い人が子供を育んで生きやすい環境整備だと考えています。若者が地域で子供を育てていくことができない地域には持続性はないでしょう。全国的にはまだ有名ではありませんが、北茨城の子育て政策は日本全国でも有数のものであると自負しています。
今の小学生に「将来も北茨城に住みたいか」という質問をすると、約30%は将来も北茨城に住みたいと言ってくれますが、約60%もの子供が外に出て行きたいと言っています。最終的にはこの数字を反転させて、多くの若者にふるさとで家族を持ちたいと思ってもらうのが目標です。野口雨情や横山大観、岡倉天心といった先人たちが築いた文化の素地の上に、高い教育水準、誇りを持って働ける職場、豊かな自然のある街を作っていくために頑張っていきたいと思います。



市長の重要な仕事の一つに決断があると思います。そのときに葛藤することはありますか?


葛藤はありません。行政についてたくさん勉強し、多くの市民の声に耳を傾け、市民のためを思っていれば葛藤することはないのではないでしょうか。もしも葛藤することがあれば、それは勉強不足、情報不足なのでしょう。情報が不足していると感じれば先送りをする。これも決断の一つだと思います。
また、決断には説明責任が伴います。説明をするときには、自分が聞いてほしいことに興味を持ってもらうことが大切です。説明されることが苦痛に思われるようでは、こちらの想いは相手に伝わりません。



首長に必要な資質とは?


ずばり、思いやりです。いくら自分が理想だと信じていることでも、他の人の意見に耳を傾けられなければ、自分への利益の誘導になってしまうこともあります。政治家だけではなく、どんな仕事をするにしてもおもいやりが大切になると思います。



若者へのメッセージをお願いします。


今を生きることを大切にしてほしいと思います。
人生は辛いことやいやなこともたくさんあるでしょう。しかし、少し未来に今を振り返ったときに後悔しつつも自分の自信となるように、つねに精一杯生きてほしいと思います。そのことがあなたの将来、そして日本の将来をつくっていくことに繋がっていきます。がんばってください。



(インタビュー:2013-11-19)


昭和19年6月5日
昭和56年3月~昭和61年12月  北茨城市議会議員
平成2年12月~平成7年5月   北茨城市長
平成19年6月~平成23年6月 北茨城市長
平成23年6月~ 北茨城市長4期目
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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