ジャパンプロデューサーインタビュー

Vol.174 [首長] 水越 勇雄 千葉県木更津市長 「たたき上げの市長だからこそ若者に伝えたい」

市長

千葉県木更津市長 水越 勇雄
選挙区 千葉県木更津市

 

市長になったきっかけを教えて下さい


私は市の職員として就職し、退職後も、収入役・助役(現在の副市長)として市政運営に携わっていました。助役をしていた当時、前市長の退任により、急遽市長選挙に出馬することになりました。今振り返って考えても、本当に思いもよらぬ展開でした。



半農半漁から市の職員へ、人生の分岐点


私は市の職員時代から通算しますと、木更津市役所に今年で54年間、勤めています。
ちょうど東京タワーが竣工した昭和33年、私は生まれ育った木更津市内の高校を卒業しました。私は農家の長男でしたので、会社勤めをすることなく実家を継ぎ、半農半漁の生活をしていました。しかし、卒業して1年が過ぎた頃、この地域に東洋一の製鐵所(旧八幡製鉄㈱ 君津地区進出)が出来ると噂が立ちました。当時日本経済は高度成長期を迎え、大きく変化していた時期でしたが、千葉県はまだ農業が中心の県で、木更津市でも会社員の働き口が大変少ない状況でした。そのような中で千葉県に東洋一の製鐵所が出来るということは、夢のような話でした。新しい時代の到来を感じ、農業だけではいけない。勤めに出ようと決心し、縁あって木更津市役所に就職しました。
また、その頃から既に東京湾横断道路(東京湾アクアライン)建設の話や京葉工業地帯の建設計画が始まっており、大きな変化の時代でした。



市の職員としての日々、そこから学んだこと


市役所で最初に従事した仕事は、水道の検針員。雨の日も風の日も検針を続け、場合によっては縁の下を這って検針しました。次に異動した秘書課では給料計算があったのですが、そろばんが苦手でなかなか計算することができませんでした。その為、地元の子供達が通うそろばん塾に入り、習得しました。その後、残念ながらせっかく習得したそろばんではなく、機械で計算されるようになりましたが、努力して習得したことに自信を持ちました。
その後も税金、人事関係など、幅広い分野の仕事をしてきました。初めて部長になったのは企画部長。その後、総務部長や収入役、助役を務め市長になりました。木更津に生まれて74年。長い時代を見てきた木更津市を更に飛躍させたいという志で市長を引き受け、早くも3期目になります。政治の世界はキャリアや世襲も多いですが、私は半世紀かけて高卒の半農半漁から市長になりました。この54年間で学んだことは「一日一日、その日その日を歩め」ということです。日々人々の生活は変わっていく、その変化に柔軟に対応し、与えられた仕事や環境の中でいかに最大の努力をしていくかが大切だと思います。



若者が住むまちにするために


木更津市は都内へのアクセスも1時間以内という交通利便性に優れ、自然も豊かで、雪も降らず温暖で気候にも恵まれた住みやすいまちと自負しています。しかし、それだけでは若者は木更津に住もうとは思いません。若者は文化に吸われていきます。
ですから、自然環境など木更津市の良いところは磨き続けるとともに、若者に「住んだら楽しそうだ」と思ってもらえる、魅力的なまちづくりをしていく必要があると思います。そして、住むためには若者の働き口が必要です。努力次第で親よりも豊かになれるという希望を持てる環境を整え、若者を失望させない一心で今後も取り組んでいきたいと思います。



市長としてのやりがい


木更津が評価されると嬉しいですね。市長をやっていると色んな人に会える、それが私の財産だといえます。東京湾アクアラインの接岸地である、かずさアクアシティ金田地区開発も一から行ってきました。今では、平成24年に開業した三井アウトレットパーク木更津を皮切りに、相次いで企業進出が進み活況を呈しております。また、来年には市内に関東最大級のイオンモールも開業することになっており、人を呼び込む体制がやっと整ってきました。今後も木更津ブランドをアピールしていき、木更津のリピーター客をもっともっと増やしていきたいと考えています。



若者に向けて一言


今の若者は人間関係が希薄になっていると思います。人との関係を大切にし、何事も自発的に取り組む気概を持った若者に今後の社会を引っ張っていって欲しいですね。



(インタビュー:2013-07-02)


■プロフィール
職名                      千葉県木更津市長
就任日(1期目)    平成14年 3月31日
氏名                      水越 勇雄(みずこし いさお)
生年月日                昭和14年8月14日生(満74歳)
出身地                   千葉県木更津市
最終学歴                千葉県立木更津第一高等学校卒業(現:千葉県立木更津高等学校)
趣味                      カメラ・自然探訪・映画鑑賞

■略歴
昭和34年  7月    木更津市役所奉職
平成  8年  4月    企画部長
平成10年  7月    総務部長
平成11年  6月    木更津市役所  退職
平成11年  7月    木更津市収入役
平成12年  4月    木更津市助役
平成14年  3月    木更津市助役  退職
平成14年  3月    木更津市長  就任
平成18年  3月    木更津市長  2期目就任
平成22年  3月    木更津市長  3期目就任
※プロフィールはインタビュー時のものです。

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